稲実マネの日常

日常２６ ページ26

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あの日から成宮の様子がおかしい


　「成宮タオル！」


成宮「いらない」


　「成宮ドリンク」


成宮「自分でとれる」



避けられてる…？というより自立した？


まぁ、自分でできることは自分でしてくれるのは嬉しいけど、



なんかちょっと寂しいというか、



物足りない



改めて毎日成宮に絡まれてたんだなと認識しなおす



　「あ、樹！ちょっと、」


なんかしたかな、なんて顔をしながら走ってくる樹


成宮のことは女房である樹に聞くのが一番手っ取り早い


　「成宮のことなんだけど」


多田野「鳴さんですか？」


　「うん、最近調子どう？」


多田野「いつも通りですかね。でも球は結構はしってます」


　「そっかー」


別に調子が悪いってことではないらしい


ならあの不機嫌はどこから…


多田野「あの…」


　「ん？」


多田野「Aさんの方はどうですか…その、準備とか」


　「準備…？あ、樹知ってたの！アメリカのこと」


多田野「はい、監督と話してるの聞いてしまって」


　「ちゃんとしてるよー」


多田野「いつから行かれるんですか？」


　「冬休み始まったらすぐ」


多田野「え、あと1週間…！」


　「そうなんだよね、だから今のうちにチームにできることはしたいんだけど、成宮はあんな感じだし」


多田野「め、鳴さんも鳴さんなりに成長してるというか…！」


　「成長ね〜、まぁ成宮のことは樹にまかせた！あそこで投げたいオーラ出してるから早く行ってきな」


とブルペンからこっちを睨んでいる成宮の方を指指しながら言う


多田野「はい！えっと、がんばってください！」


　「うん、樹もね」


そういって走ってブルペンに向かうウチの正捕手を見守る

できた後輩だ…なんてしみじみと思っていると

目の前が真っ暗になり

「おじょーさん」と後ろから呼ばれる


　「その声はカルロス？」


神谷「せーかい」


パっと手を離されるとお決まりで上裸のカルロス


　「冬なのに寒くないの？」


神谷「まー、湯気でてるからな」


よくみれば体から湯気がでている

触った火傷しそう


神谷「お嬢アメリカ行くんだってな」


　「なんだカルロスも知ってたの」


神谷「成宮と白河も知ってる」


どこから情報が漏れたのか


神谷「坊や聞いてないって」


　「言ってないからね」


神谷「拗ねてる」


　「え、だから不機嫌だったの」


神谷「直接言わないと納得しないんじゃね」


　「部活後話してくる」

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