でも付き合ってないんです２【名前変換オリジナル】

19.海の生き物 ページ20

｢水族館だ…！海の生き物がいっぱいだ…！｣

ということで二人で水族館に来た。
今回は私のリクエストだ。

｢人が多いから多分離れたら迷子になる。
一人で行動しないで。｣

｢最初からずっと颯くんの近くにいるつもりだけど…｣

こんな人の多いところで颯くんと離れたら迷子になってそのまま餓死すると思っている。
せっかく一緒に来たのに迷子に長い時間を費やすのは嫌だ。

｢……そっか。｣

今の間は何だろう。
先程の発言が良くなかったのだろうか。もう高校生なのに迷子になるのか…と思われたのだろうか…。いや、それは既に知られているはずだ。
などと考えながら

｢今の間は何…？｣

と、聞いた。
心の中で考えても仕方がない。解決しない。
悲しいことを言われたらどうしよう、と考えていたが

｢…ずっと着いてくるの想像したら可愛いなって思った。｣

問題なかった。
この人だらけの中、小さな声で恥ずかしそうに言った。言った後はこちらを見てくれない。

｢可愛い…？今の颯くんの方が可愛いわ…｣

｢自分は男だから可愛くはないけど…｣

｢私には可愛く見えるの。｣

｢ちょっとよくわからないな…｣

なんか独特だね、とよく言われるが、この｢可愛い｣も独特なのだろうか。人によって感じ方は違うと思うのだが。

｢まあ、私にしかわからない颯くんの可愛さとかかっこよさがあると思ってくれたらいいと思う。｣

｢そうなのか…？｣

普段はかっこいい姿を見ることが多い。
だからたまに見せる可愛さにときめく。
そんな意味を込めて、

｢自然にしてる颯くんが好きなんだから。｣

と言うと、

｢たまにくるデレの破壊力よ…｣

顔を手で覆ってしまった。

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