甘美騎士注意報 [Knights 短編集]

見つけ出してSecret feeling：瀬名泉 ページ25

泉｢ちょっと。Aは今から俺とレッスンするんだから ほら早く離れなよ｣

｢はー？先に話しかけたの俺なんだけど。それにいつも瀬名はAちゃんと一緒にいるし 今日ぐらい別によくね？｣

普段喋らない人につるまれたなと思ったら 瀬名が助けに来てくれた真っ只中。

この人、悪い人ではないんだろうけど少ししつこい。

それに本当に瀬名との約束だってある。なんとか逃げれないかなぁ

泉｢ふーん。…あ。｣

｢え？｣

泉｢よし走ってA！｣

｢えっ！？｣

｢あ！！待てっ！！｣

スキをついて瀬名は私の手を取って走り出した

曲がり角を曲がって空き教室に入る。

そして、あの人から撒くために そのまま部屋の中にあったロッカーの中に瀬名と2人で隠れた。

泉｢ちょっと静かにしときなよ｣

とかなり密着しているため耳元で囁く瀬名
と言っても 少し動くくらいの余裕はある。

｢あれ！？あいつらどこいったし。この辺じゃなかったっけー？｣

しばらく待ってるとさっきの人が部屋に入ってきた

部屋に入って色々見渡していく。

だんだんロッカーに近づいてきて息を呑む
ふと瀬名を見ると 普段意識してみなかった瀬名の端正な顔が見える。

あと、すごくいい香りがする。

こんな時だって言うのに ドキドキと胸が高鳴る。
瀬名に聞こえそうなくらい。心臓がドクドク跳ねている

｢んー。いないなぁ。まぁこんなとこ来ないっしょ。仕方ね、鳴上とかに聞いてみっか。｣

さっきの人は諦めて出ていったようだ。
ドアの閉まる音と、静寂が広がる

泉｢行ったみたいだねぇ。｣

｢…ん。｣

泉｢…ふふっ、こんな時に あんたドキドキしてるでしょ｣

なんて瀬名にはお見通しらしく、ふっと微笑む。

｢…うるさいな。すみませんね。｣

泉｢…ううん、俺だって今すっごいドキドキしてる｣

ね？と言って 瀬名は私の手をとって自身の胸に当てる

本当に 胸がドキドキしているのが伝わってくる。

｢…ほんと、だ。｣

泉｢…変だよねぇ。普段バカなあんたと一緒にいてもこんなにならないのに。今、Aがこんなに近くにいるってだけですっごいドキドキしてる。｣

なんて、バカなんて言いながらもサラッと恥ずかしいことを言う。

｢…ぅ、馬鹿は余計だよ。…私だって いつも以上に 今こんな近くに瀬名がいるだけなのに 胸がキュンキュンしてくるしい。…変だね、私たち。｣

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