109 ページ9
実「ごめんね、呼び出したりして。」
眉を下げて、
申し訳なさそうに微笑む実彩子さん。
「いえ。大丈夫です。」
返事をして笑う私の顔は
強ばっていないだろうか。
実彩子さんとは、
あの病院での出来事以来、
あまり話せていなかった。
お互い忙しいのもあるけど、
どうしたら良かったのか
わからなかったというのが
本音、かもしれない。
実「あのね…。あの、病院でのこと…」
西「あれは…」
何かを言おうとした西島さんの言葉を
遮って実彩子さんは言う。
実「色々考えたんだけど、やっぱり、
私にとって、にっしーは他のメンバーと
少し違うの。
だから、謝れないって思って。」
言葉を選びながら、
静かに話す実彩子さん。
実「お互いメインボーカルとしてやってきて。
同い年だし。
いい時も悪い時も、
支え合ってきたよね。」
11年という長い間、共に過ごし、
その中の何年かは恋人として過ごした。
家族よりも近い存在だったと、
実彩子さんは言った。
実「あの時、
悩んで苦しんでるにっしーを見て。
私が助けたい、支えたい、そう思ったの。
抱きしめたいって。
ふいに、隆弘って呼んでしまうくらい、
私の中には隆弘っていう存在がいる。」
その言葉に、私は言った。
「それは、西島さんも同じだと、
私は思います。
ずっと、感じてます。
西島さんにとって、
実彩子さんは特別。
あのことがなければ、
私が入る隙間なんて無かったはずです。」
ステージの上でキラキラ輝く二人を
何度も見てきた。
その空気感は他のメンバーではありえない、
西島さんと実彩子さんだからの輝き。
「だから、あんな風に
嫉妬して、取り乱した。
西島さんは、実彩子さんといたほうが、
幸せになれるのかなって。
邪魔なのは私なのかもって。
それは今も、時々思います。」
実「Aちゃん…。」
西「A…。」
そんなふうに私の名前を呼ぶふたりは、
どこか似ている。
575人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リリィ(プロフ) - くまさん» いつもありがとうございます!できるだけはやく、4をスタートできるようにがんばります! (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - kikiwingwingさん» いつもありがとうございます!色々Nissy事が嬉しくて忙しいですね☆続きもぜひよろしくお願いします! (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
リリィ(プロフ) - Takatakaさん» ありがとうございます!年内には4をスタートしたいと思ってます。よろしくお願いします☆ (2018年12月25日 8時) (レス) id: 79af705402 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - えーーー二人で歩む道けーへんの〜〜とめっちゃ気になります。次シリーズ楽しみにしてますね (2018年12月19日 1時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
kikiwingwing(プロフ) - プロポーズって!!最高です!コメント久しぶりですが、毎日リリィさんの更新も楽しみに待ってますよ!!大好きです! (2018年12月19日 0時) (レス) id: 3cf9c9f18d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リリィ | 作成日時:2018年10月14日 21時