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松「リーダー。火起こし終わった？」
振り返った松本先輩が大野先輩に話しかける。
けれど
大「…」
大野先輩の視線は松本先輩を素通りしてる。
そして、その視線の先は どう見ても私。
…え、……なに？
鎮めた心臓が再び激しく動き出した。
…この視線の理由は なに？
松「…リーダー？」
しゃがんだままの松本先輩が訝しげに見上げるけど、大野先輩は一瞥もしない。
大「Aちゃん」
「はい…？」
大「聞きたいこと あんだけど」
睨まれてるわけじゃない。
でも。
「…」
何の感情も感じ取れない瞳。
こんな目で見られる理由が分からない。
先輩は私に聞きたいことがあると言った。
それは、ただ“ねえ教えて？”っていうレベルのものではないはず。
そんなことで、もう私にかかわってなんかこない。
さりげなくでも私から距離を取ってた先輩が、あえてここに来てまで確認をしなきゃいけないことって、なに？
「…」
先輩のこの視線だけで気持ちがくじけそうになる。
不安と動揺を隠すことで精いっぱいだ。
大「さっきの自由行動のとき、裏山にいたんだよね？」
「はい」
大「俺も裏山にいたの」
「そ、うなんですか。…知らなかったです」
大「気づいてたんじゃない？」
「え、…い、いいえっ」
大野先輩は私が先輩をストーカーのように付け回してるとでも思ってる？
私が先輩の後をつけてきたんじゃないかって疑って？
それを咎めるために来たの？
私はストーカーなんてしてないって断言できるのに！
でも、してないことの証明なんてできない。
松本先輩が不思議顔で「リーダー？」って声をかけるけど、それでも大野先輩は視線を動かしもしない。
大「聞こえたんだよね」
「…何が、ですか…？」
大「声」
「…声…？」
大「悲鳴まではいかないけど、あっ。みたいな」
「…」
大「多分、…いや絶対 女のコ」
「…」
違う。
大野先輩は疑ってるんだ。
私が足をケガしたとき、私は大野先輩の近くにいたんじゃないか、って
気のせいかな…って立ち去ったじゃない！
それで終わったはず。
淡々と話してるだけ。
いつもと比べて
ほんの少し声のトーンが低いだけ。
ただそれだけなのに、先輩の苛立ちがびりびりと伝わってくる。
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yuihibiki(プロフ) - ちょこたろーさん» 人それぞれですよね。さまざまな出来事に対しての感じ方も受け取り方も、私の書いたあいさつ文に当てはめる情景も。このオハナシがどんなリハビリになってるのかは分かりませんが、完結までもう少しお付き合いくださいませ。 (2019年11月17日 21時) (
レス) id: ecfd2b01ee (このIDを非表示/違反報告)
ちょこたろー(プロフ) - いつも読ませてもらってます。挨拶にある今の気持ちが、うなずけすぎて思わずコメントさせてもらいます。飲み込めていないことが多すぎてやっぱり正月から止まってる。流れはね頭で受け入れているんだけど心はねもう容量オーバーで。だからこのお話が私のリハビリです。 (2019年11月14日 15時) (レス) id: c8a1445fc4 (このIDを非表示/違反報告)
yuihibiki(プロフ) - さわさん» この大野先輩は主人公ちゃんにとってなかなかキツイよなあーって思いながら書いてますけど、しばらく？ずっと？こんな感じでいくことになりそうです(^_^;) (2019年11月10日 9時) (レス) id: ecfd2b01ee (このIDを非表示/違反報告)
さわ(プロフ) - きっとニヤニヤしてしまう展開が待ってるんだろうけど、主人公ちゃんの心が苦しそうで悲しくなります。大野先輩お願いしますよ〜。 (2019年11月9日 16時) (レス) id: 759a393a86 (このIDを非表示/違反報告)
yuihibiki(プロフ) - nyurika513さん» ありがとうございます（笑） (2019年11月2日 0時) (レス) id: ecfd2b01ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yuihibiki
| 作成日時：2019年9月23日 0時
