ストーリー141 ページ41
あ「すみません、このくらいの小学生の女の子二人組見かけませんでしたか?」
「んー、見てないと思います」
あ「そうですか…。ありがとうございます。」
意外と見つかりませんね。
小3の女の子だと、そんなに遠くへは行っていないと思いますが…。
…そういえば、わたしも昔、お祭りで迷子になったことあったなあ。
………。
緑「A」
別々で探していた真くんと遭遇しました。
あ「あ、真くん。どうですか?」
緑「いないのだよ。
……それよりA、さっきぼーっとしているように見えたが、なにかあったのか?」
ぼーーっと……?
……ああ。
あ「少し、昔のことを思い出していただけですよ。」
緑「昔?」
あ「わたしも昔、迷子になったなぁって。」
緑「そうなのか?」
あ「はい。
…その時って、なんだか自分が1人取り残されたみたいな感覚になって、心細かったなって思い出して…」
周りに人はたくさんいるけど、みんな知らない人だから…
あ「さっき私は、2人は大丈夫って言いましたけど、それでも絶対不安になってると思うから早く見つけないとですね。」
『もーAのバカぁ…!無事でよかったぁ…。』
………。
緑「……。」
ふと真くんを見ると、なにやら困ったような顔をしています。
あ「…?どうしました?」
緑「…なぜ、Aが寂しそうな顔をしているのだよ。」
あ「……へ?わたし?」
寂しそう…?
そんな顔してましたか…。
緑「お前が不安になることはないのだよ。」
あ「す、すみません。そんなつもりは…」
緑「謝る必要はない。」
久しぶりに昔のこと思い出してしまったからでしょうか。
真くんに余計な心配をかけさせてしまいました。
緑「……手でも繋いでおくか?」
ん、と私に左手を差し出す真くん。
あ「……私も迷子になると思われてます?」
緑「はぐれるのが不安なら、繋いでおけばいいのだよ。」
……やっぱり真くん、私のこと子どもみたいに扱う節がありますよね…。
あ「繋がないです。」
緑「…そうか。」
あ「でも…」
ぎゅぅぅっと、真くんが差し出してくれた左手を自分の両手でしっかりと握る。
あ「…これで不安は無くなりましたっ。ありがとうございます。」
緑「…ふっ、そうか…。」
優しい笑顔でそう返してくれた真くんをみて、やっぱり真くんはお兄ちゃんなんだと実感しました。
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作者名:14がすき | 作成日時:2018年2月13日 11時