幼馴染とわたし２【笠松幸男】

ストーリー７５ ページ25

早「あっっ！！黄瀬とA！！」

中「2人で回ってるのか？仲良いな。」


早川さんと中村さんのクラスの出し物を見に来ると、そこでは縁日が開かれていて…


あ「わぁ。お二人ともかっこいいです！」

早川さんは甚兵衛、中村さんは浴衣を着ていた。



早「おう！あ(り)がとな！！」

中「素直にそう言われると、照れるな…。」

黄「ちょっと！！中村センパイ！何顔赤らめてるんすか！Aっちも、そーゆうリップサービスいらないから！」



…リ、リップサービス……？？

そんなことした覚えないけど…。



黄瀬くんがワーギャー騒いでいるのを、どーどー と宥めていた中村さんが、突然。


中「そういえば、おまえらキャプテン達のところ行かなくていいのか？そろそろ始まる時間だぞ。」


と、自分の腕時計を見ながら私たちにそう伝えた。



…………。


今まで、必死に考えないようにしてたこと…。



黄「えっ、あっ！！ほんとだ！笠松センパイのロミオを見て笑い飛ばそうと思ってたんす！」


「ほらっ、Aっち！行くっすよ！」と言って、黄瀬くんは私の腕を引っ張り体育館へ連れて行こうとする。

…でも……


パシッ


黄「…え？」


わたしはその手を払いのけた。


黄瀬くんも、早川さんも中村さんも、驚いた顔でこちらを見る。



でも、

…今は、ゆきちゃんの顔、見たくないっ…。




あ「ごめん黄瀬くん。わたし、その…、よっ、ようじ思い出したから、その…、ひとりで、行ってきて…？」


とっさに出てきた、苦し紛れの言い訳。


でもそんなの、黄瀬くんに通用するはずがなく…



黄「…え、なんで急に…？ご、ごめん。おれ、なんか怒らすようなことしちゃったっすか…？」


あ「えっ！？…あ、や、そうじゃなくて…！」



逆に誤解させてしまった。



ちがうっ…。黄瀬くんじゃないの…。

黄瀬くんじゃなくて…



早「…もしかしてA、キャプテンのとこ、行きたくないのか…？」

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