幼馴染とわたし２【笠松幸男】

ストーリー６５ ページ15

「Aちゃんっ！黄瀬くんのとこ行ってあげなよ！」

「彼氏がお待ちだぞー！」



なにやら、昨日のことが誤解されて、すごい噂が広まってる…。

私と黄瀬くんは付き合ってないのに、なんかもうカレカノ公認みたいになってるし…。


ゆきちゃんのこともあり、私の頭はもうすでにキャパオーバーです。


黄「すんませんっす…、なんか、色々誤解が…」

あ「そっ、そんな、黄瀬くんのせいじゃないからっ…」

さっきから否定してるんだけど、誰も聞く耳持ってくれないんだよなぁ…。


黄「……でもまぁ、俺にとったら嬉しい誤解なんすけどね」


こっちを見てニヤっと笑う黄瀬くん。


あ「……えっ、あっ、そのっ…」


そして…



黄「…まじでオとすから、覚悟しといて…？」


私が混乱してるのにも御構い無しに、さらに追い討ちをかけるようにそう耳元で呟いた。


あ「……っ／／／」



ぶあっ、と効果音がつきそうなほど勢いよく赤面したのが自分でもよくわかった。


はずかしぃ…／／




〜〜〜


あ「あ」

笠「あ」


放課後、買い出しを頼まれ、めぐみちゃんと学校の近くの百均へ行くと、今会いたくない人No. 1と遭遇した。



あ・笠「………。」



気まずい沈黙の時間が流れる。



あ「……いこっ、めぐみちゃん」

岡「…………ん。」



この場の空気に耐えられないのと、やっぱりゆきちゃんと顔合わせるのが今はできなくて、逃げるように立ち去ろうとした、その時。


笠「……A」


びくっ。


肩が震える。



笠「………悪かった…。」


あ「………。」




それだけ言って、ゆきちゃんは帰っていった。




あ「…それじゃ、ないっ…。」

岡「……。」



謝罪の言葉が欲しいわけじゃないの。


なんであんなことしたの？
どんな気持ちだったの？



……ゆきちゃんは、私のことどう思ってるの？




聞きたいことはいっぱいあるのに、声になって出てこない。


胸が、苦しい…。

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