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五条「はいこれ」


『え?!いいの?!ありがとう先生!』


遊園地に来たのはいいものの、やっぱり外が暗くなっていって乗れる乗り物が限られてきた。


そして今私たちは観覧車に乗ろうとしています。



先生がココア買ってきてくれた。冷たいヤツ。



五条「僕やばいかも」

『なんで?』

五条「だって今、夜の8時ぐらいだよ?こんな時間まで生徒と遊んでて高専の人達に見つかったら」


『まだ生徒じゃないし大丈夫ですよぉん』


五条「最後の語尾なんかゾワっとした」


『何故』






___________







「足元お気をつけください。それでは良い旅を」





ガシャンとドアが閉まり、私は今五条先生と2人で観覧車に乗っている



『た、たっけぇぇええええ!』


五条「まだ頂上にすら言ってないじゃん…」


いいじゃん別に

1度も乗ったことねぇんだよ観覧車


『五条先生。今日は意外と楽しかったです』

五条「一言余計じゃない?」



『初めてだったんです。私、小さい時からこういう人混み多いところで遊んだことなくて…』



親戚のおばさんに一時期引き取られてたが、私は何処へも遊びに行かせてくれなかった。


公園も、遊園地も行きたいと言えば叩かれた。


おばさんの口癖は「お前は人一倍頑張らなきゃいけない」だったなぁー


『だから先生には感謝しかないです。ありがとう五条先生!』




アニメでも言ってたよね。「生徒から青春を取り上げるのは許されないー」みたいな事言ってなかったっけ?台詞忘れたけど。


まあそこがいいところだね。



五条「こんなとこいくらだってつれてってあげる」


『え?』



五条「僕はお金もいっぱい持ってるし、かっこいいし強いし優しいから、Aを幸せにできるよ」


『ちょ、ごじょ』

五条「Aを傷つける奴は絶対許さない。裏切るようなことだって絶対しない。苦しい思いは絶対させないよ」


五条先生は私の手を握り、真っ直ぐに私を見て言った


五条「Aが今までどんな人生を送ってきたか僕は分からない。でも…」




五条「1人にさせないよ」




ふわり




香水の香りがした。すごくいい匂い。

私は今五条先生に抱きしめられている。

まるで海外ドラマのワンシーンみたい。


正直先生の言葉は嬉しかった。

だって私の欲しい言葉くれるんだもん。




でもね先生?


『私、ひとりじゃなかったよ』

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作者名:さっちゃん | 作成日時:2020年11月12日 21時

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