season1 オレがTruth Love を知った訳(黄瀬涼太)

衣装選び(黄瀬side) ページ40

文化祭の6日前。オレとAちゃんと今井さんの３人はある建物の中にいた。

昨日発覚した問題を解決するために。



A「ここにある衣装なら好きなの選んでくれて構わないわよ。
でも、丁寧に扱ってね」


貴「突然すみませんでした。おかげで助かりました！ありがとうございます」


A「黄瀬君の友達なら安心だからいいわよ。じゃあ、選び終わったら言ってね」



Aちゃんと今井さんが声をそろえて返事をする。Aさんの『友達』という言葉に
戸惑っていたAちゃんだったが、すぐに衣装を見始める。



(オレ、まだ友達として認められてないんすね・・・)



最近普通に話せるようになっていたから、友達だと思っているのだろうと
感じていたがどうやらオレの勘違いだったらしい。



衣装選びは2人でやるからと言われてしまっているので、暇になった。
ここにいてもつまらないので、廊下に出た。




Aさんにきちんとお礼を言っていなかったことを
思い出したオレはAさんのいる部屋に向かった。


コンコン


A「どうぞ〜」


黄「失礼します。あっ、今大丈夫ッスか？」


A「大丈夫だけどどうかしたの？もう選び終わった？」


黄「いいえ。2人ともまだ選んでるッス。ここに来たのはお礼が言いたくて」


１歩下がって、頭を下げた。


黄「今日はありがとうございました！本当に助かりました」


A「これくらいなら良いわよ。ただ、約束は守ってね？」


黄「分かってるッス。次の撮影は絶対行きます。何があっても。」


A「よし。黄瀬君どんな服でも大抵似合うから楽しいのよね〜」


黄「え〜？そうッスか？」



しばらく、そのまま話していた。だから、気づかなかった。






貴「あのバカ・・・。お人好し」


Aちゃんが扉の向こうに座り込んでそうつぶやいていたことを。

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