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その次の日はジョルノが「課題でわからないところがありまして…」と来たので少し教え、全員で写真を撮った。
その写真を持って一度日本へ戻る。
「どうなった!?」
「てめえのほうがどうだったんだ?」
「む…ジョルノには無事に会えたぞ。最初はとても怒っていたが、次の日に話していたら少し態度が軟化した」
「ほう……問題はないのか?」
「特にないが?」
問題とはなんだ?と頭を傾げたが、承太郎は私の返事を聞いて納得したらしく「奴は逃げた。顔も指紋も全て変えてだ。その際、スタンド使いの美容師が一人犠牲になった」と教えてくれた。
「…なんと卑劣な……!」
「一応、怪しそうなやつをスカイ・ハイたちに探してもらってみる」
「頼んだぞ」
ジョセフのハーミット・パープルでもジョナサンのスタンドでも大した情報は出ず、状況は一向に進展しない。
「ねえねえ、お兄さん」
「む?」
「じゃんけんしようよ」
「…一回だけだぞ」
「えー?三回勝負!」
うるさいな…。
まあ、このくらいの子供がこれくらい元気なのはある意味普通ではあるが。
「わかったわかった」
「やったぁ!」
嬉しそうに叫んだ少年。
「じゃーんけーん…」というのに合わせて手を振る。
吸血鬼の動体視力ならば余裕で後出しができるのだが……最初くらいは華を持たせてやるか。
「ぽんっ!」
その直前に少年の手がグーになろうとしているのが見え、敢えてチョキを出す。
「やったー!勝ったー!」
喜ぶ少年。
負けてやるべきか勝ってもいいものか…?と考えながら微笑ましく見ていると、少年の頬に空いていた穴に私のザ・ワールドの右腕が吸い込まれていった。
「っ何だと…!?」
「ザ・ワールドって言うんだぁ。かっこいいね!これが僕のものに…」
すぐさま二回勝利し、無事に帰ってきたザ・ワールドを眺める。
特に異常はなさそう…だな。よし。
「何で負けたんだ…?」
「ふん……私の動体視力がいい…のはさておき。
昔からずっと一緒だった私の半身だ。そう軽々とくれてやるものではない。
……が、手加減できなくて悪かったな」
それだけ伝え、その場を去る。
後ろで少年が「か、かっこいい…!」と呟いていたことなど一切知らずに。
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アイウエオ(プロフ) - 受難1を数ページ見て感動した、すごい平和的だしDIO様優しいし、平和のほうもエエなと思った。 (2022年5月13日 3時) (レス) id: dcadc60966 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 死音心音2.0さん» こちらこそありがとうございます!番外編などもそのうち書くので気長にお待ちください!← (2020年3月25日 7時) (レス) id: 25bb83b486 (このIDを非表示/違反報告)
死音心音2.0(プロフ) - 完結、一先ずおめでとうございます!いつも楽しく読ませて頂いておりました。次回作と番外編、楽しみにしております。素晴らしい作品をありがとうございました!! (2020年3月22日 23時) (レス) id: 2a5e77e557 (このIDを非表示/違反報告)
月明かりに導かれる者 - 初見です!初めてこの小説を読みましたが読んでいて話にのめり込んでしまいました(笑)面白かったです!更新頑張ってください! (2019年6月20日 21時) (レス) id: 866b9f0c0d (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 闇夜さん» ご指摘ありがとうございます!訂正させて頂きました! (2019年5月17日 23時) (レス) id: 0fe9064a66 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あゆ | 作成日時:2018年9月12日 12時