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虫唾が走る
生理的に受け付けない何かを
強制的に味合わされる感覚だ
私は咄嗟に彼の胸に手を当てて抵抗する
しかし悔しいくらいに、びくともしない
「…やめ、て!」
亮太「大丈夫だから。…」
「いや!…」
顔を左右に動かすも
頬を力ずくで掴まれ口を塞がれる
あの時とは違う
全然違う
同じキスなのに
胸がキリキリとして吐き気すら感じる
亮太「暴れんなって…な?大人しく」
「やだ…!!…っ、」
亮太「黙れ!…」
薄気味悪い不快さと
恐怖が同時に込み上げてくる。
身体はカチカチに固まって息すら出来ない。
それをいい事に、
ニットの下からゾワゾワといやらしい手が忍びこみ
咄嗟に、私は脳を遠くした。
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__なにその詐欺師
__…んふふ、俺が成功さしたるわ
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きっと、笑われる
ほらみてみー、って鼻で笑われる
したり顔で上から物も言われるし
何ヶ月にもかけて私を馬鹿にする。
浮かれてたなぁお前
って、永瀬ならきっと笑って
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「…ながせ」
亮太「ふふ、…なに?…」
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__この間はごめん
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「……永瀬、……っごめ」
亮太「は?笑…誰だよ永瀬って」
一筋の涙が目尻から溢れた
悔しくて、情けなくて
心が張り裂けそうだった。
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亮太「気持ちよくて泣いてんの?…可愛いね…笑」
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着ていたニットは乱雑に脱がされて
カラオケ店の汚い床へと放り投げられた。
「……」
あれ、お気に入りだったんだけどなぁ
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すると、その時だった。
ガタンッ!
と勢いよく扉を蹴破り入ってきたのは
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「…っ!」
永瀬『…っ、………』
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作者名:ayu | 作成日時:2021年2月10日 0時