馬酔木の助力～7部まで～ (ページ23)

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23(夢主視点) ページ23

『ファニー、落ち着け』

「私は冷静さ。ただいつもこの気球どもがジョニィ・ジョースターとジャイロ・ツェペリを見失っているのがおかしいと言っているんだ。しかも果樹園でリンゴォが飛ばした鳩も見つけていないのはなぜだ？」

ファニーが内心いら立っているのを感じる。
リンゴォは死んだ。鳩は小屋になかった。
しかし見つかっていないしまだ帰ってきてもいない。

ファニーはプロモーターのスティール氏を疑っているようだ。
…彼にはこちらの目的を教えてはいない。
スタンド使いでもなさそうだし、こちらを邪魔するメリットはないだろう。

「そうだな…今はやめておこう」

『その時になったら私がやろう。レースの記憶だけ消すかどうするかはその時考えればいい』

金を出して黙っていてもらってもいい。
もしダメだった場合はヘブンズ・ドアーで記憶を忘れるように書き込んでもいい。
…いざとなれば死体も残らないように消す方法も、ある。

できればやりたくはないなァ。

『まあ、落ち着けファニー。鳩はきっとこの雨で遅れているだけだ。そのうち来る』

「……フン、だといいのだがな。次の遺体は脊椎だッ！」

次こそは手に入れてほしいものだ。
と思うのと同時にジョニィたちの成長も見守りたいとも思ってしまうのは苗字に引っ張られているのだろう。
…あぁ、みんなは元気だろうか？
徐倫はまだ幼かったはずだ。承太郎は忙しそうだったし、仗助は勉強を教える約束をしていた。
ジョルノとDIOをいつか一目くらい会わせてぶん殴らせてやろうかと思っていた。ジョルノにはその権利がある。

「そろそろ鳩が来る頃ではないか？様子を見に行く」

「では…私が護衛を務めさせていただきますゥ…」

二人の声で思いをはせていた意識が戻る。
そうだ。今はとりあえず遺体を集めることを優先せねば。
みんなのことは落ち着いたら考えよう。

ファニーとブラックモアが上へと上がる。
ブラックモアならば大丈夫だろう。
雨なら彼のスタンドは強い。

「すいませェん」「メッセージを持った鳩は見当たりませェん」

まだいないのか…。迷子にはならないと思うが…。

「すみませェん大統領」「確実に庭とも到着しているようですッ！」

巣箱の下から飛び立つ鳩。
ブラックモアが捕まえたがメッセージはない。
…ッ侵入者か！

『スタンドを…貸そうか？』

「…いや、まだだ。Aはジョーカーだからな。任せてくれ」