18(承太郎視点) ページ18
血を流し、倒れる看守。
そしてこちらに入ってくるジョンガリ・A。
「徐倫！お前は窓へ進めッ！」
徐倫をかばい、前へと出ようとした。
そして気づく。
徐倫の頭上にそれはあった。
こ…これは！？
この形は！『マンハッタン・トランスファー』…！
幻覚の中で自分の心が創ったはずの…スタンド！
徐倫の頭上にッ！今…それがッ！
「くらえ」
これは…幻覚なのか？
それとも……。
ジョンガリ・Aが銃弾を徐倫に向かって打ち込んだ。
その瞬間気づく。
「違うッ！これは現実だ
時よ止まれェェェ――！」
一瞬の判断で時を止める。
「敵は…」
ゆっくりと背後を振り返る。
「敵はッ！」
壁に張り付いている、別のスタンド。
「2人いたッ！」
あの部屋のドロドロはこいつの仕業だ…。
真の黒幕は背後のこいつ。
そしてこいつの目的はッ！このオレだったッ！
徐倫を思い切り突き飛ばし、時が動き出す。
徐倫は倒れこみ、俺は先ほどまで徐倫のいたところへと移動する。
そして、銃弾をはじき返した。
「『一手』遅カッタ…ナ……空条」
「承太郎……待ッテイタゾコノ時ヲ」
振り返るが…確かに一手遅かったようだ。
敵が
オレの顔に、
触れた。
体の力が抜けそうになる。
壁に体を預けることで倒れることを防いだ。
隣で徐倫が銃弾をはじく。
いくつか流れ弾が俺のほうに飛んでくるが…スタンドは出せない。
よけることも、できない。
徐倫には…財団の迎えのことを…まだ、話していない。
窓を割った徐倫がオレのほうを向く。
先に行くように促す。
ペンダントを渡す。
財団の迎えのことも話した。
「行け…徐倫」
「こ…これってあたし…さっき……じれって！そんな…」
あぁ…前々から姉さんにも、花京院にも、じじいにもアブドゥルにも言葉足らずだと言われていた。
もっと、伝えればよかったかもしれない。
だがこれだけは言える。伝えねばならない。
「お前のことは…いつだって大切に思っていた」
胸の傷に動揺する徐倫を再度せかす。
お前を逃がすのが目的…いや、オレの願いだ。
「徐倫！」
消えゆく意識の中、徐倫が見事にスタンドを使いこなしてジョンガリ・Aをぶっ飛ばすのを見た。
「徐倫の…この精神力なら……無事に生き延びる…な」
壁に体を預けていた力も抜ける。
すまないな、徐倫。
足手まといになってしまった。
生きて…くれ。
「ここにいるわ…それってあたしのことなら」
「まったく…パードレは無駄なことばかりしますね」
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箱 - 素敵な作品ありがとうございます (8月27日 10時) (
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作者名：あゆ | 作成日時：2022年1月9日 11時
