不器用なりに (ページ7)

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7 You side. ページ7

You side.

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本当に欲しいものは言い出せない。
昔からそうだった。

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人一倍努力しないといけない、
要領の悪い私に仕事は大変だった。

いや仕事なんてみんな大変だ。

自分の弱さが原因なのだ。

「Aさん～！」

今年入社の美人な後輩が私の名前を呼ぶ。

「スミンちゃん...どうしたの？」

「これ、聞きましたか？
明日までらしいんですけどぉ、
私今日母のお見舞い行かなくちゃいけなくて！」

目の前には、明日までに完成させなければいけない会議の資料。
そして時計の針はもうすぐ6時をさそうとしていた。

「大変だね、お母様長引いてるのね。
私がやっておくね。」

私がそう言うと、彼女はもうワントーン上がった声で、申し訳ないですぅ～と言った。
私は資料を受け取りデスクに座った。

周りの社員は帰宅準備を進めていた。

今日も残業。

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携帯のバイブ音が鳴る。

ハッとした私は時計を見た。
時刻は11時。
あと30分で終電が終わる。

私は完成していない資料に目線を落とした。