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…♣



クイナとチシヤと別れてから、
私は人があまりいない中庭のようなところに来た。
ベンチに座りもう日が沈みそうになる空を見上げながら
この3日間の出来事を思い出す。

「……はあ」
一気に色々起こったなぁ。
アンに出会ってビーチに勧誘された。
これだけでもすごいことだと思う…。


.
.
.

この世界に来る前、私は部屋に籠って
YouTubeで歌ってみた動画を投稿する配信者だった。
きっかけは家族の言葉。



それは中学2年のとき、
学年でもかわいいって言われてた子と1年の時から仲が良く、 親友だと思っていた子に彼氏ができた。
放課後に仲良く3人で遊んだこともあった。

でもそんなある日、その子が彼氏と別れた。
「あんたのせいで別れたの。 あんたなんか死 んじまえ!」
…何を言っているのか分からなかった。

その日から、その子は女の子全員を味方につけたり
事実にもならない噂話を流したり、
誰も信用出来なくなった。
毎日家に帰っては、部屋に籠って泣く。
学校も休むようになった。

最初はお母さんもお父さんも心配していたし、
お姉ちゃんも部屋に入って様子を見てくれていたけど
「Aのタイミングでいいから話してね」と言ってくれて
中学3年生になるタイミングで打ち明けた。

お父さんは何か言いたげだったが、
お母さんは私に
「無理してまで人付き合いしなくてもいいんじゃない?」
「AはAが好きで信用できる人と関わればいい。」
そう言って抱きしめてくれた。

高校は通信教育で家で勉強するようになり、
自分の好きな時間が多くなった。
お母さんが昔アイドルだった時のCDを聞いたり、
LIVE映像を見たりするのも大好きだった。

「も〜!また見てるの?」
笑いながら言ってきたお母さんは、ソファに近付いて
私の横に座った。

「だってお母さんすごくかわいいし歌上手いもん!」
何回見ても全然飽きない。
そう言った私に、お父さんが
「Aだって歌上手いだろ?あ、そうだ」

途中で言いかけたお父さんは自分の部屋に行き、
戻ってきたと思ったら手にはギターを持っていた。

「これAにあげるよ。」
「え!?で、でも私弾けないよ…?」
「そんなのお父さんが教えるよ!」
「でも…」

「貰ってあげてA」
「お父さん幼稚園の時のAのお遊戯会好きなのよ」
私が戸惑っているとお母さんは微笑みながら言った。

「小学校のときの合唱コンクールだってお父さん泣いてたし」

弾き語り→←チシヤとクイナ



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シオリ - ニラギのは少ないのでとても嬉しいので早く続きが見たいです。 (4月27日 21時) (レス) id: 653f2e7127 (このIDを非表示/違反報告)
おり - とても面白いので続き早く見たいです (3月7日 11時) (レス) id: 5b39725ede (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きゃんちょめ | 作成日時:2024年2月5日 2時

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