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..







“寂しかったよ、”






指先が素肌に触れる。


背中を添わされた指先。








アルコールが入ってる身体は

触れられれば、とけちゃうほどに熱い。






ゆっくりと、確かめるように触れる唇。

お互いから感じる吐息。








それだけで身体が疼いて、






「……………んっ、」









その唇に翻弄されて、
声が漏れれば、






「身体熱いね、」









その瞳で、声で、さらに責めてくる。

 




その言葉にも、
ゾクゾクする。






お互いもっと、もっと、って
深く、長くなっていくキス。






「気持ちいい?」





僅かに許された息継ぎの間にそう囁かれて、





「……っ、だって








私の表情をみて余裕そうな太輔に、
恥ずかしくて
言い訳しようとしてみたけど









「部屋来る?」









とどめのヒトコト。









私だって子供じゃないんだし、
こんな雰囲気になっちゃえば
こんなムードを作られてしまったら





「……………………ん、行く」




断る理由はないわけだけど。








正直、欲しい。




きっと太輔もそうでしょ?








なのに、





「身体きついんじゃないの?」


「きつくない…………。」


「さっきまでだるい〜って、」


「太輔、」





諭すように名前を呼ぶと、







「ついついいじめたくなるんだって、」





いじわる。









“ごめんごめん、”って、
むう、ってしてる私の頭を撫でた。





「いじめすぎだよ……。」





「嫌?」









にっこりして、
分かってるくせに。
“嫌じゃない、”って。







「………別に嫌じゃない、よ」







そう言えば、
“だよね、”って笑ってる。





すっかり無くなってしまった甘い時間。




「も〜〜・・・」







そう思っていたけど、


ぐっ、腰を引き寄せられる。









「部屋行こっか、」






ちょっと和んだような雰囲気が
その一言でまた急に甘くなる。



 
 



視線が重なって、
小さく頷けば手を差し出されて、
その手を握った。








ぷち、ってテレビの電源が落ちて

パチ、ってリビングの電気が消えて。







僅かな月明かりが照らす中に、
太輔の横顔が浮かぶ。






お互い何も話さないまま、

静かに部屋の扉が開いて、









「おいで、」








その声と、
太輔でいっぱいの部屋の香りに
また目眩を起こしそう。









.

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ちい★(プロフ) - さみしいって言ってたよ…と嘘か本当かわからないけど、言ってくれた裕太の優しさに気づいてしまいました…。でもやっぱ太輔いいねぇ…あやさん!みつも良き★ (2020年1月10日 2時) (レス) id: aba16733a8 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - みっかさん» こちらにコメントしてくださってたの見落としておりました!おかげで完結を迎えました。ぜひ最後までお付きあいくださると嬉しいです。 (2017年10月27日 21時) (レス) id: b34d9690f4 (このIDを非表示/違反報告)
みっか(プロフ) - あと2〜3回で 終わってしまうんですね…どっちに持ってかれるのか( ToT )ミツが街から出て行く!って流れには ちょっぴり驚きでした! (2017年10月21日 1時) (レス) id: 6df392b90f (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - ともさん» 遂に!もう私だったら部屋に入った瞬間失神しそう…、ミツなにしてるんですかね。主人公ちゃん気にしてますよ〜! (2017年10月9日 13時) (レス) id: b34d9690f4 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - たまぴよさん» ゆうたろうは考え事が多い主人公ちゃんの癒しになってもらってます!藤ヶ谷さん電気消して、部屋においでしてその先はどうしちゃうんでしょう…!移行後もよろしくお願いします。 (2017年10月9日 13時) (レス) id: b34d9690f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あや | 作成日時:2017年8月21日 23時

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