summer kiss.2

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..









「なんでお前が泣くんだよ、」


「…………だって、」


「とんだ自惚れ女だな」


「……………………！」





その言葉に
ミツを見上げたら、






「俺たち、こんな感じだったじゃん」




いつものミツの笑顔があった。





バカにしたような、
いじわるな、
でも………人懐っこくて温かい瞳。






「ばかっ、」


「おっ、調子出てきたじゃん」





ミツの言葉に、
背中をバシっ、と叩いた。









──────────カラン、








「あれ、北山来てたの？」


「おぅ、腹へったんだもん」




打ち合わせをすませてきた
藤ヶ谷さんが戻ってきた。







「お、もしも〜〜し」






ミツは電話がかかってきたから、
テラスに出ちゃって。






“おめでとう、”




ミツの背中を眺めた。









「Aちゃん、お昼済ませた？」


「あ、はい………さっき軽く」







藤ヶ谷さんの手には、
紙袋がぶらさがってて。





「これ、打ち合わせ先から頂いたんだ。
よかったら、少し休憩しよっか」









目の前で開けられた箱の中には、
カラフルなカップケーキ。


　




ここ、人気のカップケーキのお店で
テレビで特集されてたとこだ。





こうゆうインスタ映え！とか
大好きで発見したら
行かずにはいられない性格で、
同僚なんかとも話が尽きなかったのに
こっちにきてからは全然気にならなくて。








「これかわいい！これはおいしそう！」



　




でもやっぱり、
久しぶりにテンション上がっちゃう。








「かぁわいいっ！
どれにしよう………！
色々あって迷っちゃ……………






藤ヶ谷さんを見上げたら、
くすくす笑ってる。







「Aちゃんがかわいいよ」




「かっ？！」




かわいい………、なんて
この歳で言われるなんて……。




「どれにする？」


「じゃあ……………これに…。
あっ、コーヒーでいいですかっ…。」





顔を真っ赤にしながら
ささっとカウンターの中へと入る私を
いたずらに笑ってる藤ヶ谷さん。







「今日は
なんの打ち合わせだったんですかっ、」



「今日はね、今あっちのイベントで出してるとこの状況報告と色々？」



「打ち合わせ先から頂いたって、
もしかしてこのお店と何かするとかですか？」






カウンターに腰かけてる藤ヶ谷さんに
コーヒーを置いた。







テラスを見ると、
ミツはいつのまにかいなくなってた。

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