summer kiss.2

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「おっ、出かけんの？」

「あっ、ミツごめん！そうなの！」




久しぶりのおでかけに
バタバタ、準備してると
ミツが家へと入ってきた。



「なんだよ〜〜俺の飯はよ〜〜」


「なによ久しぶりに現れといて！ないよ！」




なんて、言ったけど
ミツが来てくれてほっとした。
あれから、ミツは来なくなったから。


もしかして、
私の面倒みたのが
心底嫌になったんじゃないか、って
思ったりなんかして。


でも、そんなことで付き合いをやめるような人じゃないっていうのは分かるから、理由が思い付かなくて直接聞きづらくて。





それとなく、





「…………最近来なかったじゃん、」





リビングを通る合間に
思いきって聞いてみれば、




「ま〜な〜〜。潜ったりしてて
外の世界と交信断ってたわ」


“あと仕事が立て込んでたんだよ”って。


「なに！？
もしかして、寂しかったのか〜〜？」




振り返って、
挑発的な言葉を投げかけるミツに、




「「はぁぁあ？！」」


「…………だろ？笑」


「っ、…………ふふ、もう、」




一緒になって、
反応を真似してからかってくるミツに、
すごく安心した。
最近、冗談が冗談じゃないっていうか……うん。



うまくいえないけど。





「あれ、北山来てたんだ」



藤ヶ谷さんが支度を終えて
部屋から出てきた。





「なに？ふたりで出掛けるわけ？」




そう言って、
私たちを交互に見てる。




「うん、一緒に行く？」


「は？」



……………えっ！！藤ヶ谷さん！？






「なんてね〜〜。
北山連れてって何が楽しいんだよ」





び、びっくりした…。







「朝飯は悪いけどどうにかして。
俺たちもう出るから」




「…………はいはい、分かりましたよ〜」



ミツがだるそうにソファから
立ち上がった。



「Aちゃん、準備できた？」



「はい！おっけーです！」





今日はちゃんとメイクも服装もデート仕様。
“デートしませんか？”って
昨日藤ヶ谷さんが言ってくれたから。




「じゃ〜〜な〜〜」




スタスタと玄関先へ向かうミツを
追っかける。




「あっ、待って！はい！」


「あ？…………っと、なんだよ」




振り返ったミツに、
投げたのはおにぎり。




「もしかして来るかな、って
作っといたから、それ。」



昨日も、その前もね。


「煮たまごおにぎりだよ？ミツの好きな」


「でか過ぎだわこれ」





“楽しんでこいよ、”
そう言ってミツは先に家を出てった。

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