♯13 ページ14
尊が海にチケットを渡し、丁度…二週間が経過した。
今日は遂に、デビューからあっという間に芸能界のスターダムに駆け上がっていった、クールでセクシーなアイドルグループ…
TRIGGERのライブ当日。
ライブに誘われた時、不安そうだったものの…尊にライブチケットを貰い、その思いを受けとり…
必ず行く、とそう約束をした海。
それでも…やはり、不安を隠しきれないらしく…今日は朝早くから、あの寂れた音楽ホールへと赴き…気持ちを落ち着けるべく、ピアノを弾いていた。
時に優しく、激しく…切なく。
脳裏に浮かぶ、今朝見た妙に現実味のある悪夢を…無理矢理洗い流していくように。
夢の中でも、海はTRIGGERのライブを観ていた。
沢山の観客と共に。
ステージの上で無数の輝きを放ち…
ファンを笑顔にし、幸せにしていくアイドルとして完璧な…実の兄。
「みんな今夜はありがとう！大好きだよ。」
九条 天を。
かつては、いつだって側にいて…何をするのにも一緒だった、自分と瓜二つの…大切な片割れを。
しかし、そんな片割れも今は遠いところにいて…
いくら手を伸ばしても、届かない。
『…っ天…！』
そう名前を呼んでも、かつてのように振り向いてはくれない。
満天の星空に輝く一等星に、手が届かないことと同じように…
天は、暗闇にいる海には眩し過ぎて…かつてのように手も繋げない。
そう思うと…そう思う自分が余計に惨めで…
また、暗闇へ…深海へ沈んでいく。
そんな…永遠に沈んでいくだけのような、終わりない悪夢は海を蝕んだ。
『…ハァ。』
自分の転落していく人生そのものを表しているようなそれを…海はそれを酷く恐ろしく感じ、目覚めは最悪と言えるものになったのである。
しかし…今日は必ず行くと約束した以上、逃げる訳にはいかない。
良いと言っているというのに、自分を何時も心配している尊を安心させてやる為にも…これから先、自分が歩んでいく道をそろそろ決定する為にも…海が目を背けてはいられないものでもあるのだから。
そう…覚悟を新たにして、海はピアノを弾くのをやめ…音楽ホールを後にした。
尊と一緒に会場に行く予定だったが、今は誰とも顔を合わせられない。
そう感じたのかもしれない。
先に行く、とだけラビットチャットに書き込み…
脱げないように、深くフードを被り歩き出した。
何時もより怠く感じる体を無視して。
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月(プロフ) - キャベツの芽さん» はじめまして！コメントありがとうございます！尊くんもちゃんと受け入れられていて、大好きだと言ってもらえる程だと知れて安心しました！本当にありがとうございました！ (2019年5月24日 17時) (
レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
キャベツの芽(プロフ) - 初めまして|´-`)ﾁﾗｯ海くんも尊くんも大好きです！！これからも楽しみにしております！！ (2019年5月24日 14時) (レス) id: 270caf8b44 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - Suiさん» コメントありがとうございます！これからも海くんのことを温かい目で見守ってくださればと思います。 (2019年3月26日 23時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
Sui - 続きがすっごい気になります!更新頑張って下さい！ (2019年3月26日 21時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
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