♯12 ページ13
海にチケットを渡し、夕飯を食べさせた後…あの寂れた音楽ホールでピアノを久しぶりに弾いているのを見届けると…
尊は海が暮らす部屋の隣にある、自分の部屋へと帰った。
持っていっていた買い物袋とエプロンを投げ捨てるようにして置き…
そうしたかと思うと、今度はいそいそと服のポケットに入っていたスマホに手を伸ばし…電話をかけている。
用件はそれ程に重要なものなのか、急を要するものなのかもしれない。
そんな尊が、電話をかけている相手…それは…
「もしもし、紡くん？億邑だよ。海くんに今日、チケットを渡しておいた。行く…とそう言ってくれたから、安心していい。」
「海くんは、約束は必ず守ってくれるヤツだからね。僕も同行して…ちゃんとライブ会場まで送り届ける予定だし、確実だよ。」
(「ありがとうこざいます！私たちの分までチケットを用意して頂いた上に、海さんの勧誘の手引きまで…何から何まで尊さんにお任せしてしまって、本当に申し訳ないです…！」)
小鳥遊 紡。
海を勧誘した男…小鳥遊 音晴の娘であり、小鳥遊事務でIDOLiSH7のマネージャーとして、父親の仕事を手伝っているという…優しく、しっかり者の少女である。
数日前、様々な偶然が重なり…連絡先を交換した2人は現在…共同作戦を実行中であり、お互いにIDOLiSH7や海に内密で連絡を取り合っていたのだ。
お互いの目的を達成するために。
親友である海の時を、海が心の底からやりたいと思う音楽で進める…尊はその最大の目的を達成するためには手段を選ばない。
利用できるものは、利用しよう…と思って今まで海のそばにいた尊は凍っていた海の心を少しでも動かしたIDOLiSH7をも利用しようと考えていたのだろう。
しかし…
「いいんだよ。お爺様にその手のコネがあったから使わせて頂いただけだしね。それに、海くんのためだもの…最善を尽くすのは当然だよ。IDOLiSH7に入ってもらえるように頑張ろうね。」
今は、心底…海にIDOLiSH7に入って欲しいと望んでいるように見えた。
海に付き合って、ミニライブに通い詰めた結果…尊もIDOLiSH7に惹かれ…
そこに、海の居場所はあると考え直したらしい。
今では全力で、紡の目的である『海をIDOLiSH7に入れる』というものを支援している。
「(…海くんの時を進めるのが、海くんの時を止めた張本人なんて…本当は不本意だったけどね…海くんのだめだ。認めよう…)」
「(…海くんの時を動かす、最高の刺激を期待しているよ…？)」
「(……九条 天くん。)」
少しだけ、複雑な思いを抱えながらも。
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月(プロフ) - キャベツの芽さん» はじめまして！コメントありがとうございます！尊くんもちゃんと受け入れられていて、大好きだと言ってもらえる程だと知れて安心しました！本当にありがとうございました！ (2019年5月24日 17時) (
レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
キャベツの芽(プロフ) - 初めまして|´-`)ﾁﾗｯ海くんも尊くんも大好きです！！これからも楽しみにしております！！ (2019年5月24日 14時) (レス) id: 270caf8b44 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - Suiさん» コメントありがとうございます！これからも海くんのことを温かい目で見守ってくださればと思います。 (2019年3月26日 23時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
Sui - 続きがすっごい気になります!更新頑張って下さい！ (2019年3月26日 21時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
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