【PSYCHO-PASS】She kill the people at that time. 2 (ページ4)

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At that time7-11* ページ4

「あなたはあなたが望む通りの人生を選べない。その辛さはわかるわ」

葦歌の涙を拭いながら、言い聞かせる。
そして、今現在の社会現状を口にした。
この社会に対する疑問を

「今の時代、誰もがシステムによって決められた適性に沿って押しつけられた幸せだけで満足するしかない。自分が本当に望んだ夢を叶えることもできずに……」

その単純な疑問は、璃華子にもあった。
父親がそんな風になってしまったというように

「本当に望む姿…本当の自分の価値…それを確かめてたいとは思わない？」

「…………え？」

「私なら教えてあげられる。葦歌さんの中にも隠れている本当の美しさを」

戸惑いを見せる葦歌。
その戸惑いを奪うように抱きしめた。
安心させるように優しく、しっかりと璃華子は抱きしめる。

「……シェイクスピアの話続きをしましょうか」

葦歌の記憶に刻みつけるように耳元で囁く。

「『タイタス・アンドロニカス』私が好きなのはタイタスの娘ラヴィニア」

喜劇が多かったことで有名なシェイクスピア。
『タイタス・アンドロニカス』は彼の作品の中で最も残酷で変わったものだった。

「父のせいでトラブルに巻き込まれて彼女は敵に性的暴行を受け、舌を切り取られて両腕も切断される……」

璃華子の言葉を受け入れる葦歌。
懐にある物にさえ気付かずに。

「『これはおれのいのちより大事なかわいい子鹿だった』。可哀相にラヴィニアは自分の父に殺されるの……」

そのまま、葦歌は行方知らずとなった。