面倒極まりない ページ4
それから話はどんどん進んでいき、私は明日の夕方にその街へ赴くこととなった。
柱合会議が終わってその場を去ろうとすると、行く手を柱の方々に遮られる。
『……如何なさいましたか、皆様。』
「何故あなただけ夜に行動なんですか?」
『御館様がお決めになったことですので、私も存じ上げません。』
「じゃあなんで礼を言ったァ。明らかにおかしいだろ。」
「どうせまた御館様に媚びを売り、手柄を取るために夜一人で行動することを頼んだんだろう。
まあお前と同じ組にならなくて良かったがな。俺はお前など大嫌いだ。信用もしていない。」
それからも皆の口から漏れる誹謗中傷は酷いものだった。
正直一刻も早く日陰に入りたいところなのだが、こうもなれば抜け出すのも容易ではないな。
…言い返すと余計に場が悪くなるけど、致し方ない。
『お言葉ですが、件の任務は今日初めて知りましたので、御館様に頼んだりなどしておりません。
これ以上何か文句があるようなのでしたら、それは私だけでなく、このことをお決めになった御館様までもを侮辱することになりますよ。
私のことをとやかく言うのは構いませんが、発言にはお気をつけください。』
では。
そう言って去ろうとするも、さっきよりもすごい目で見られる。
……言い方がキツかったかしら。昔から言い返すとなると、こういう言い方しかできないものだから、本当に申し訳ない。
心の中で謝りながらも去ろうとすれば、その腕を誰かに掴まれた。
その人の方を向けば、そこには舞衣がいた。
「あっ、あの、本当に一人で大丈夫ですか…?私、心配で……。」
……そんなこと、微塵も思っていないくせに。
私はやんわりとその手を解くと、お面の下で笑った。
『心配はいらないわ。皆の手を煩わせるわけにはいかないもの。舞衣も頑張ってね。』
優しくそう伝えたはずなのに、舞衣は涙目になり柱の目はより厳しいものになる。
なんで、そんな顔されなきゃならないの。
「人が心配してくれてんのに、派手に嫌味しか言えねえのかお前は。」
ああ、本当に面倒くさい。
嫌味に聞こえたのなら申し訳ないけれど、いちいち突っかかって来ないで欲しいものだ。
そろそろ光が厳しいのだが、ここで倒れるわけにもいかない。
さて、どうしたものか。
「A!!任務ダヨ!炭治郎達ト合流!今スグニ!!」
そう言いながら肩に止まったのは、私の鎹鴉である茶々。
丁度いい時に来てくれたわね、茶々。
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アマリス(プロフ) - この夢主、魔法少女になったら真っ先に魔女化するな。で、人間体は死んで、魂ごと消えるあれですけど、まあそうなればみんな幸せなんでしょうね。夢主は魂ごと消滅するんですから。本当にそうなったら、どうなるんでしょうね。 (2022年5月22日 20時) (レス) id: 7d0074fb6d (このIDを非表示/違反報告)
ふじか(プロフ) - 更新楽しみに待っています! (2021年9月29日 10時) (レス) id: ae671ca5ff (このIDを非表示/違反報告)
*つむり* - すごく面白いです。小説の書き方とかも、すごく参考になります!続きが気になります……といったらプレッシャーになるかもしれませんが、応援してますので、気を詰めずに自分のペースで頑張ってください! (2021年5月3日 10時) (レス) id: a3e5e92948 (このIDを非表示/違反報告)
リタ - とても面白かったです! (2021年2月25日 19時) (レス) id: 800a931bab (このIDを非表示/違反報告)
ほたる - 下に同じくもっと伸びるべきだと思います!ゆっくりで良いので更新頑張ってください!体調にも気をつけてください! (2021年1月7日 18時) (レス) id: bff8d73ccb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2019年11月14日 12時