憎まれっ子世に憚る【鬼滅の刃】

緊急柱合会議 ページ3

朝から嫌な夢を見たが、今日はそれ以上に嫌な柱合会議がある。


まあいつもの如く、他の柱に毛嫌いされて終わるだけでしょうけど。



姉様を殺したあの日から、私は色んな人に嫌われるようになった。


原因は分かってる。


舞衣が、私のことを悪く言っているのだ。

でもそれを言ったところで信じてもらえないだろうし、もし信じてもらえたとしたら、あの子の居場所がなくなってしまう。


それは駄目なのだ。


私は姉様の大切なものを守りたい。

だから、いくら嫌われようと隊の皆や舞衣を守る。そう、心に決めたから。


『…よし。お面もつけたし、特に変なところはないな。』


鏡の前で確認をしてから、家を出る。


一瞬眩しさで目が眩んだが、しばらく目を閉じていれば、それはおさまった。


お面があるから少しはマシだけど、やっぱり長時間はきついな。

まあ、柱合会議くらいは大丈夫だろう。



そんなことを思いながら道を急げば、御館様の屋敷ヘと到着した。


それからしばらくして全員が集合したが、柱は一向に私の方を向かないし話しかけてこようともしない。

……姉様から柱は良い人達ばかりだと聞いていたし、実際私もそう思っていたけど、噂一つで人を信じず見る目を変えるというのは、些かどうかと思う。


居心地の悪さと日光に目眩を感じていれば、凛とした声が聞こえてきた。


｢御館様の、御成です。｣


そんなご息女様の声がして、皆一斉に跪く。


相変わらず、御館様の声はふわふわとして心地いい。


どうやら今日は、ある街での鬼について話があるらしかった。


｢ここ数日で、多くの者が命を落としているらしいんだ。既に他の子達も送っているのだけれど、その子達もやられてしまってね。

こうもなれば、柱を派遣しなくてはならない。

それで皆を呼んだんだ。


大きな街だから、手分けして鬼を探して欲しい。出来るかい？｣

｢『御意。』｣

｢ありがとう。主に二人で行動してもらうことになるけど、Aは一人でやってもらってもいいかな？それと、探すのは夜になってからで構わないよ。｣


その言葉に、私と舞衣意外の柱が反応する。

私だけ夜のみ活動するという意図が分からないのだろう。

御館様は私の身を案じて下さっているから、そういう考えに至ったのに。


『ありがとうございます、御館様。夜だけとなりますが、必ずやこの任務全うして見せましょう。』


そう答えたはいいが、未だ他の柱の視線が痛い。
…また面倒なことになりそうね。

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