第拾参話 ページ17
それから出てきたお蕎麦を食べ終え、情報を聞くために小物屋さんに足を踏み入れた。
『すみません、少しお伺いしたいことがあるんですけど、大丈夫ですか?』
「ああ、いいよ。何かな?」
『この村に来てから子供を見かけていないのですが、何かあったのですか?』
そう聞けば、店の店主は顔を顰めた。
そして声を潜めながら、私に今まであったことを事細かに説明してくれた。
なるほど……狙われるのは十歳から下の子達がほとんど…。
それ以上である十六歳以下の子も狙われているから、当てはまる子は外に出ないようにしてるのね。
「ところで、君は何歳なんだい?」
『私ですか?私は十四歳です。』
「そうなのかい!?それなら早くここを立ち去った方がいい。君も狙われるやもしれん。」
『いえ、大丈夫です。私はこの事件を解決するために来たのですから。
安心してください。今夜からは誰一人として、子供達を攫わせたりしませんよ。』
そう微笑むも、店主は尚も立ち去りなさいと心配してくれた。
確かに私は子供だけれど、鬼を斬る使命を持っている。
そして、何の罪もない子供達を殺しているだなんて、なんと卑劣な。
早急に鬼を退治しなくては。
情報も出揃ってきたため宿屋に行き、部屋を借りてそのまま夜になるのを待つ。
そして日が沈んだ頃、外には人一人いなくなってしまった。
……よし、だいたい鬼は夜が更けてから出るだろうけど、これくらい早くに行動した方が、犠牲が出なくていい。
私が狙われる可能性があるのなら好都合。
自分を囮にして、誘き出してみるか。
そっと庭に出て、塀をのぼり道へと出た。
家の灯りは漏れているが、その暖かな色に混じって不安の色が濃く見える。
それもそうよね。こんな状況じゃ、安心して暮らせないもの。
そんなことを考えながら歩いていれば、微かに鬼の気配がして振り返る。
が、そこには誰もいなかった。
……血鬼術…か……。何ともまあ面倒な。
「おいおい嬢ちゃん。こんな夜中に出歩いてちゃ危ないぜ?」
背後からそう声をかけられると同時に、その場から少し距離をとった。
目の前にいるのは、体が少し透けている鬼。
「へっ……。外に出てるなんて馬鹿な娘だ…。
見たところまだ十六歳にはなってねぇなあ…。一番の食べ頃は十歳以下だが、十六を過ぎてなきゃあ美味いのには変わりねえ…。」
そう言って舌なめずりをする鬼を、静かに見据える。
さて、さっさと片付けてしまおうか。
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masa - コスプレイヤーとして演じる程,隠がお気に入りです!闘える隠もいるはずと信じているので,この作品が大好きです!正に本編そのもの!東雲ちゃんも大好きです! (2021年1月7日 1時) (レス) id: 8a22c9168c (このIDを非表示/違反報告)
カナ - 無限列車編、楽しみです!煉獄さんンンンン!!!!!!!! (2021年1月6日 0時) (レス) id: 5eabcf99e7 (このIDを非表示/違反報告)
R_yomoya(プロフ) - めっちゃさいっこうです!無限列車編はどうなるのか…! 煉獄さん生存ifであることを祈っています…! (2021年1月5日 14時) (レス) id: 241a1cc2c3 (このIDを非表示/違反報告)
天深 - とても好きな作品でした(;_;) (2020年1月24日 16時) (レス) id: 456e47df85 (このIDを非表示/違反報告)
すンず - めっちゃ最高!!頑張って下さい!応援しています! (2019年10月25日 19時) (レス) id: 6823c0d55a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2019年10月6日 13時