無意識に ページ18
あっという間に日は沈み、お祭りはどんどん盛り上がっていた。
お酒を嗜んだり、走ったり踊ったりとはしゃいでいる。
｢Aー！Aも一緒に踊ろうよー！｣
｢ほらほらー！｣
『え、ちょっ、こら！押さないで！分かった、分かったから！ふふふ。』
皆の輪の中に入って、笑いながら踊りを踊る。
ここの皆と、久しぶりにこんなに楽しく遊んだなあ。
前来た時は仕事で寄っただけだったし、それ以外ではここに遊びに来たことすらなかった。
特に意識はしていなかったけど、心のどこかで、ここに近寄りたくないと思っていたのかもしれない。
楽しい思い出よりも、辛い思い出の方が多かったこの場所。
だから、いくら仲の良い妖達がいるからといっても、無意識に避けていたのだろう。
でももう、そんなことはしない。
こんなにも楽しくて、暖かな場所。
いつでも訪れたくなるようなこの場所を、もう避けたりはしない。
｢やっぱりAがいると楽しいね。｣
｢そうだね、そうだね！それにAの友達もいるから、もっと楽しいね！嬉しいね！｣
小さな妖達は、踊りをやめてそんなことを思い思い話しだした。
それを近くにあった石の上に座りながら静かに聞いていると、酒気を帯びた一人の妖が私と肩を組んだ。
｢それにしても、あんっなに人間なんか嫌いだーって言ってたくせに、今では楽しそうにやってんだな。｣
『なによ、その言い方。』
｢いいや？あん時のお前は、楽しそうな顔なんて人間といる時してなかったろ？｣
『それはまあ、そうだけど。』
そう言うと、その妖は私の頭に手を置いて少し乱暴に頭を撫でてきた後、頭と頭をくっつけてきた。
｢安心したよ。お前がちゃんと、楽しくやれてるみたいでさ。
人は人として、その輪にいるのが一番なんだ。俺達とは、生きる時間が違いすぎる。
颯魔様がそばにいるから安心ではあったが、俺達は皆心配してたんだぜ？
これからも楽しくやれよな。俺達はお前の友人として、いつまでも幸せを願ってる。
ま、人が嫌になったなら、いつでもここに帰って来ればいいさ。｣
そう言ってニコリと笑い、また酒を飲みに行ってしまった。
優しくて、暖かな感覚を残したまま。
それが何故かくすぐったいような、よく分からない感覚で、思わず笑みがこぼれてしまった。
皆が楽しむ姿を眺めていれば、とても暖かい気持ちになる。
こうして見ているだけでも楽しいだなんて、前は思わなかったのに。不思議なものね。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか？ (2020年10月18日 11時) (
レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - この作品面白いです。更新頑張ってください！続き楽しみにしています。 (2019年9月27日 22時) (レス) id: fe959518f7 (このIDを非表示/違反報告)
蝶華 - 初めてこのお話を読みましたが凄く良いです！これからも頑張ってください！応援しています！ (2019年9月2日 21時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 更新お疲れ様です！最近夏目友人帳にニャンコ先生関連ではまっていてこの作品もとても楽しませてもらっています！徹夜して読みましたww 体調に気をつけて頑張ってくださいっっ！！ (2019年7月20日 15時) (レス) id: a81fa4594d (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - かなとさん» すみません、すぐに気づいて直してきました。ご指摘ありがとうございます！ (2019年6月7日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍夜 | 作成日時：2019年6月7日 22時
