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楽しき夜 ページ19

「何話してたんだ?」


そう言って、夏目達が私の元にやって来てそばに座った。


『…安心したって。私のことを心配してくれてたみたい。』

「そうか。俺達も触れてみて分かったけど、優しいな、ここの皆は。」

『うん。とっても優しくて、暖かいの。』

「ああ、そうだな。」

「それにね、私達にずっとAちゃんと友達になってくれてありがとうって言ってくるのよ。

Aちゃんは、本当に愛されてるのね!」


多岐にそう言われ、自分でも顔が赤くなっているであろうことがわかるくらいの熱を感じ、思わず顔を覆った。


"愛されている"


その言葉が、どれだけ嬉しいことか。


少し前までは、愛されているだなんて感じてすらいなかったのに。

今ではそれが、痛いほどわかる。


恥ずかしくも嬉しいこの感覚が、とても愛おしく感じた。


『そういえば、三人とも楽しくやれてる?私は知り合いが多いし、勝手に楽しんじゃってたけど…。』

「ああ。俺達もとても楽しいよ。」

「私なんか、こんなに妖さん達と話す機会なんてないから、楽しくて仕方ないわ!」

「俺もだよ。夏目やAが、こんな景色を見てるんだなって考えると、大変だってことは十分わかってるけど、少し羨ましい気もするな。」


そう言った田沼の目線の先には、楽しそうに騒いでいる皆がいる。

紫水や蒼葉、颯魔も楽しんでいるし、サヤギも最初は遠慮がちだったけど、今じゃ馴染めているみたいだ。


『…なんだか、不思議だな。』

「え?」

『ここにいた頃は、こうやって人間と一緒に生活するだなんて、考えてもいなかった。

ただひたすら人間から離れたくて、妖として生まれなかった自分を恨んだ。


けど今こうして、この場所で大切な友人と…自分の秘密を知る友人と、楽しく過ごせているのだから、不思議だなと思って。』


そう言って笑えば、三人も静かに笑い返してくれた。


こうやって、喜びも苦しみも分かち合える友達ができたことが、何よりも嬉しいことなのだと、改めて痛感する。

今の友人に出会うことがなかったら、こんなに楽しい夜を過ごすこともなかっただろう。


「お楽しみ中の所、申し訳ありません。穂ノ目様、皆が穂ノ目様の笛の音を聴きたいとの事なのですが…。」

『ん、分かった。』


言葉通り申し訳なさそうにやって来た紫水に笑いかけ、その場で笛を取り出し口に当てる。


様々な思いを胸にその日奏でた音色は、今まで吹いた中で一番美しく、暖かなものだった。

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うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか? (2020年10月18日 11時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - この作品面白いです。更新頑張ってください!続き楽しみにしています。 (2019年9月27日 22時) (レス) id: fe959518f7 (このIDを非表示/違反報告)
蝶華 - 初めてこのお話を読みましたが凄く良いです!これからも頑張ってください!応援しています! (2019年9月2日 21時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 更新お疲れ様です!最近夏目友人帳にニャンコ先生関連ではまっていてこの作品もとても楽しませてもらっています!徹夜して読みましたww 体調に気をつけて頑張ってくださいっっ!! (2019年7月20日 15時) (レス) id: a81fa4594d (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - かなとさん» すみません、すぐに気づいて直してきました。ご指摘ありがとうございます! (2019年6月7日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍夜 | 作成日時:2019年6月7日 22時

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