新しい着物 ページ7
夏目が一度塔子さんに私の家に行くと伝えに帰り、その後にニャンコ先生を連れて私と一緒に帰宅をした。
『ただいまー。』
「お帰り、A。おや?翠蓮じゃないか。どうしたんだい?それに夏目まで。」
「いや何、こいつの着物の新調に来ただけさ。そしてついでに、夏目にも何か作ってやろうと思ってな。」
蒼葉と翠蓮が軽く話を始め、奥から颯魔が来たとなると少し話が長くなるかな。
私は靴を脱ぐと、夏目に手招きをして自室へと移動した。
一応今着ている着物を出しつつ、夏目とニャンコ先生の分の座布団を敷いた。
『さて、夏目は何作ってもらう?』
「いや、本当にいいよ。」
『そんなこと言わないで夏目。あいつ作る気満々だから。それに翠蓮の言う通り、遠慮なんかしなくていいのよ?』
私がそう言えば、夏目もやっと折れたらしく素直に作ってもらう物を考え始めた。
そして考えた挙句、ウエストポーチを作ってもらうことにしたらしい。
翠蓮は基本的になんでも作れるから、多分大丈夫ね。知識も他の妖に比べたら古くはないし。
そんなことを思っていたら、襖が開いて翠蓮が顔をのぞかせた。
「おーいA。準備出来たから、その着物ちょっと貸せ。あんまり変えないようにしてやるから。
して夏目。何を作って欲しい?」
「ウエストポーチを頼みたいんだけど、大丈夫か?」
私が着物を渡すと同時に、少しだけ考える素振りをしたあと、やってみると言いながら笑って部屋を出ていった。
それからしばらく夏目と話していたら、遠くから翠蓮の呼ぶ声が聞こえて、席を立つ。
翠蓮の音のする部屋へと向かい襖を開ければ、驚くことにもう着物もポーチを出来上がっていた。
『うわ、やっぱり凄いね翠蓮。もう出来てるなんて。』
「ふふん、そうだろう。だが、一応着物は着てみろ。着てみてちょうど良かったらそれで良し。柄も気に入ったのなら良しとしよう。」
そう言って、私に着物を渡してくれる。
うん、それはいいんだけどさ。
『…一回部屋から出てくれない?』
「何故だ?見なきゃ確認できんだろ。」
『いや、私ももう年頃の女の子なの。私自身でも確認できるし、ほら出た出た。』
無理やりにでも外に出して、早速着替えに移る。
うん、サイズはピッタリだし、柄も前のより少しだけ凝っている。龍の傍に雲が増えた。
……着てる姿は見せるか。
『翠蓮。気に入ったよ!ありがとう。』
そう言って見せれば、翠蓮は満足そうな笑みを浮かべた。
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うたプリ大好き?(プロフ) - 完結になっていますが、これで終わりなのでしょうか? (2020年10月18日 11時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - この作品面白いです。更新頑張ってください!続き楽しみにしています。 (2019年9月27日 22時) (レス) id: fe959518f7 (このIDを非表示/違反報告)
蝶華 - 初めてこのお話を読みましたが凄く良いです!これからも頑張ってください!応援しています! (2019年9月2日 21時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - 更新お疲れ様です!最近夏目友人帳にニャンコ先生関連ではまっていてこの作品もとても楽しませてもらっています!徹夜して読みましたww 体調に気をつけて頑張ってくださいっっ!! (2019年7月20日 15時) (レス) id: a81fa4594d (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - かなとさん» すみません、すぐに気づいて直してきました。ご指摘ありがとうございます! (2019年6月7日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2019年6月7日 22時