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仲の良い従姉弟に ページ8

私が目を開けば、眩しい朝日と私の手を握りながら眠るサクラの顔が視界に入った。


ああ、また、心配かけちゃったのかな。


私が優しくサクラの手を握り返すと、サクラはうっすらと目を開いた。


『サ、クラ…』


声を出そうとしたら、自分でも驚くような掠れた声が出た。

その声を聞いたサクラは、うつらうつらしていた意識が覚醒し、私に花が咲いたように笑顔を向けた。


「A!起きたのね!良かったぁ…。体調はどう?どこか変化あったりする?」

『ううん、何も。大丈夫だよ。強いて言うなら、この掠れた声かな。』

「あ!お水持ってくるわね!ナルト!ほら、あんたも起きなさい!!」


そう言って、サクラは壁に寄りかかるようにして寝ていたナルトを叩き起す。

私は上半身だけ起こして、パタパタと去っていくサクラの背中を見つめた。


すると、横に座るナルトの気配。
私はナルトの方を向いて笑みを作った。


『…心配かけてごめんね。』

「…まったくだってばよ。俺、またお前が起きなくなるんじゃねえかって、すげぇ心配したんだからな。」


そう言って目に涙を溜めるナルトの頭を撫でていたら、サクラと共に我愛羅達三姉弟が入ってきた。


「はい、お水。」

「A。無事でよかった。」


サクラから水を受け取った手が震える。

我愛羅が、生きている。
動いて、私に笑いかけている。


私は近くの台にコップを置くと、ふらつく足取りで我愛羅に抱きついた。


流れてくる涙を気にも止めず、我愛羅の肩に顔を埋めた。


『我愛羅っ…良かった……良かったぁ……!!また失うんじゃないかって、すごく、すごく怖かった…!!』

「…ありがとう、A。お前のおかげで、俺は生き返れた。心配をかけたな。」


我愛羅はそう言って私の頭を優しく撫でる。

しばらく泣き続け、私が泣き止んだ頃にサクラ達が我愛羅達と私を残し部屋を出ていった。

なんでも、我愛羅達から話があるらしい。


「A、済まなかった。お前のことを知らずに酷いことをして、結果的にお前を危険に晒した。本当に、済まなかった。

そして、ありがとう。俺はお前のおかげで、大切なものに気づくことが出来た。」

「俺達からも礼を言うじゃん。」

「弟を助けてくれてありがとな。A。」


そう言って、三人は優しく笑う。

そこにはもう、憎悪にまみれたものなんて一つも存在しなかった。

夢で見た、優しい柔らかな笑み。


ああやっと__


__仲の良い普通の従姉弟に戻れたね。

暖かな場所→←夢



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雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年5月6日 17時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍夜 | 作成日時:2019年5月4日 23時

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