仕切り直し ページ33
それから私達は外に出て、サイに木遁で作り出した木を巻き付け、ヤマト隊長の分身で見張ることになった。
「こっから仕切り直しだってばよ…。サスケを助け出す!」
「…止めた方がいいよ。」
サイはそう、目を伏せがちに言った。
止めた方がいいって、どういうこと……?
「僕はサスケ君に会った。サスケ君には常に大蛇丸がついている。深追いすれば、バラバラにされて実験体になるのがオチだよ。
サスケ君は君の事を何でもないと言った…。サクラさんは、君がサスケ君の事を兄弟のように思っていると言っていた。
それなのに…。」
そんなサスケの事を、大蛇丸に歯向かってまで何故そうも連れ戻そうとするのかと、サイは問うた。
誰に命令されたわけでもなく、自分の意思で何故そこまでするのかと。
するとナルトは、悲しそうな笑顔を浮かべながら答えた。
「昔俺は、サスケの事が大嫌いだった。…でも、一緒にいてホントは凄く楽しかったんだってばよ。
あいつは…誰よりも俺の事を認めてくれた一人だった。」
サスケはナルトにとって、大切な友達であり、やっと出来た大切なつながりなんだ。
それを意図も簡単に、大蛇丸の手になんて渡したくないんだろう。
"つながり"と聞いたサイの目が、少しだけ見開かれる。
「だからって…大蛇丸相手に…。」
「腕がもがれりゃ蹴り殺す。脚がもがれりゃ噛み殺す。首がもがれりゃ睨み殺す。目がもがれりゃ呪い殺す。
たとえバラバラにされようが、俺は大蛇丸からサスケを奪い返してやるんだってばよ!」
その力強い目を見て、私は思わずふっと笑ってしまった。
そして隊長が見張りを作ろうとした時、攻撃してくる気配を感じて後ろに飛び退く。
サイの前に現れたのは、あの薬師カブトだった。
「サイ…その様子からすると、君は捕まったようだね。裏切ったわけじゃなさそうだから…、ここは信じよう。」
全く……しつこい奴だ、本当に。
ナルトの邪魔するなら容赦しないという声と共に、戦闘態勢をとる。
ナルトが頭上から影分身で螺旋丸を打つも、意図も簡単にそれを蹴りで回避された。
「ムダムダ。」
「やってみるまで分かんねーだろーが!!」
「違う。そっちの話じゃあない…。…君を見てるとホントに憐れだよ…。
人は変わる。サスケ君は、もう昔のサスケ君じゃないんだよ。」
…そうだとしても、私達は連れ出したいんだ。
闇ではなく、光の元に。光の射す木ノ葉に。
たとえそれが、エゴだとしても。
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雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年5月6日 17時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2019年5月4日 23時