行方 ページ25
サクラはナルトに、色んなことをしてあげてると思うけどな。
中忍試験の時だって、サスケとナルトを守るために戦ってたじゃない。
そういう意味を込めて、サクラにそんなことないよと笑顔を向けた。
ヤマト隊長の言う通り、大切なのはその人を想う心だ。
サクラには、それが十分にある。
ナルトの治療を終えた私が、そういう意味を込めてサクラの頭を撫でると、ナルトが目を覚ましてその上半身を起こした。
サクラとナルトの会話を微笑ましく見つめていれば、ふとサイの事が気になった。
ナルトと大蛇丸のいる方に向かう時に姿は見たが、それ以降全く目にしていないために、どうなったかさえ分からない。
……なんだか少し、嫌な予感がするな…。
特に何も起こらなきゃいいんだけど……。
サクラもサイが気になっなのか、ヤマト隊長にその行方を聞いた。
「サイなら今、大蛇丸と一緒に移動中だよ。」
『…どういうことですか。それ。』
「三人とも、僕について来な。」
そう言われ、ざわつく胸を気にしないようにしながら隊長に連れてこられたのは、先程までナルトが暴れていた場所。
そこにはもう、カブトも大蛇丸もいなかった。
「橋は壊れてるし…ここはこんなになってるし…いったい何があったんだ?」
「覚えてないのか?」
「…そういえば俺って、何で気絶してたんだ…?」
その言葉に顔を合わせるサクラと隊長に変わり、私はなるべく表情を崩さずに口を開いた。
『大蛇丸にやられて気絶してたのよ。』
「…そうだったのか…チクショー!」
そう言ったナルトの顔は、まだ納得がいっていないようだった。
それもそうか。ナルトがああなる前に、大蛇丸は気絶するほどの攻撃をこちらに仕掛けていないのだから。
少しの罪悪感から私が顔を背けると、目線の先にサイのであろう荷物が映った。
サクラもそれに気づき拾い上げ、ヤマト隊長に説明を求める。
唯一この現場を見ていたのは、隊長の木分身だけだから。
「……サイは…ここで大蛇丸と会話のやりとりをした後…大蛇丸とカブトの後について行った。」
「どういうことだってばよ?」
『その内容は?』
「会話は遠くて聞き取れなかったみたいだ。」
「何の話したんだろ?」
「脅されて連れていかれたのかも?」
「…いや、そんな感じじゃなかった。自ら大蛇丸に近づき、何かを手渡していた…。まるで大蛇丸に取り入ろうとするかのようにね。」
サイ……あなたいったい、何をするつもりなの…?
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雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年5月6日 17時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2019年5月4日 23時