怒り ページ22
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「………サスケを…返せ……。」
その声と共に、ナルトの周りに九尾のチャクラが漏れだした。
……まずいな、これは。この前の銀の慌て方やカカシ先生が何かしたことからすると、ナルトがああなると危険だということだ。
どうしたものかと思案している私の横では、サクラがカブトに対して声を荒らげている。
私も黙ってはいられないが、まずは……
『ナルト、一回落ち着___』
私が言い終わらないうちに、ナルトが大蛇丸へと飛び出し、勢いよく吹き飛ばした。
『っナルト!!やめろ!!一旦落ち着け!』
私がそう叫ぶも、ナルトは全く聞く耳を持たない。
……九尾の力が強まってる……!四代目の封印が弱まりつつあるのかもな…。
「人柱力らしくなっちゃってるわね…ナルト君…。」
そう言った大蛇丸の顔は剥がれていて、その下にもう一つ別の顔がのぞいている。
なんだ……あれ…。相変わらず気持ち悪いな…。
「それで…君が見張り役に選ばれたのね。私の実験も少しは役に立ったじゃない…。木ノ葉にはもう少し感謝してもらいたいわ…。
ねェ…私のかわいい実験体さん…。」
そう言って、大蛇丸はヤマト隊長を見つめた。
……?かわいい実験体……?どういうこと……?
大蛇丸の話によれば、初代様の力が欲しくてその遺伝子を組み込む人体実験を行い、全員死んだと思ったが、その生き残りがヤマト隊長だったと。
なるほど……だから鬼門一族でもないヤマト隊長が木遁を使えるわけだ……。
「…では、長年の成果とも言えるサンプルが手に入りそうですね。」
「そんなことより、今は私のサスケ君がどれだけ強くなってるか、ためしに目の前のナルト君とやらせてみたいわね。」
「てめーのもんじゃねェ…」
いつもより低いナルトの声と、感じたことの無いチャクラ量に身の毛がよだつ。
「俺の前で自分のものみてーにサスケの名を口にすんじゃねーってばよ!!」
一本だった尾が、いつの間にか三本になった。
その瞬間に、ゾクリとした感覚が襲ってくる。
凄まじいほどのチャクラに、空気が痛い。
とにかく__おぞましい。
「おいA!ナルトのヤツを止めろ!!三本まではまだいいが、四本も尾が出たら危険だ!」
そんな切羽詰まったような銀の声が、頭の中に響く。
銀が言うのだから、相当ヤバいのだろう。いや、そんなこと見てわかるじゃない。
『ナル__』
私が声を発した瞬間、九尾のチャクラだけで凄まじい音をたて橋が粉砕した。
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雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年5月6日 17時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2019年5月4日 23時