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会話 ページ12











「再婚したんだな」


「へ?」



不死川さんの布団で眠ってしまった桜寿郎の頭を優しく撫でながら、小声で話す不死川さんは私にチラリと目線を向ける。


唐突に始まった話に驚いていたが、桜寿郎のお腹を優しく叩き始める不死川さんを見て、私は納得の声を上げる。







「桜寿郎は拾い子なんです」



私のお気に入りの桜の木の下にいて…と、桜寿郎と私の間に血の繋がりがないことを説明すれば、自分から聞いておいて返事をしない不死川さんは、急に桜寿郎を抱き上げる。







「客室があるから、お前らはそこで寝ろ」


「あ、そのことなんですが」




客室に向かって早速足を進める不死川さんに小走りで追いつき、軽く袖を引いて呼び止めた私は、夜に何か異変があっては怖いので、せめて隣の部屋に寝かせて欲しいと、襖で仕切られた隣の部屋を指さす。









「あ?わざわざそんなことしなくて良いだろうがァ」


「それではあなたの様態が分からないでしょう」



縁起でもないことを言いますけどと、不死川さんに事の重大さを理解してもらうために、私は語気をいつもより強める。









「朝起きて、もし不死川さんの息がなかったら

私は一生悔いてしまいます」



そう杏寿郎の顔を思い出しながら、不死川さんの袖を握る手に力を込めると、ぐっと押し黙る不死川さんは勢いよく頭を横に振る。









「おい、仮にも俺は男「大丈夫ですよ」



今にも文句を言いそうな顔をしていた不死川さんを、私は遮るように声を発する。



不死川さんが何を心配しているのかは十分理解しているつもりだが、この人を一人で寝かせるよりは絶対に良い。








「…ほら、もう寝てください」



どちらも譲らない状況で、場を収めるために私は不死川さんの硬い背中に触れ、部屋に向かって帰るよう押してあげる。



すると、照れたように顔を赤くする不死川さんは、桜寿郎を私に預けて、荒々しく布団に入った。








そんな不死川さんを見届けた後、私は器用にも腕の中で心地よさそうに眠る桜寿郎と、襖に仕切られた隣の部屋に移動する。
















「おやすみなさい」









部屋を仕切る襖に向かって、そう小さな声で呟いた後、私はその襖を音が聞こえる程度に閉め、桜寿郎の眠る布団へ向かう。


気持ちよさそうに寝息を立てる桜寿郎の頭を撫でて、私もひっそり眠りについた。











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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
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- 涙止まらん。最高です (8月18日 23時) (レス) @page6 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 初めてのコメント失礼します!メチャ号泣しました! ほんとに感動しました! (2022年3月29日 17時) (レス) @page33 id: 70da419123 (このIDを非表示/違反報告)
西川あや(プロフ) - つんつくさん» お返事遅くなってしまって申し訳ありません。暖かいコメントありがとうございます!手紙の内容については煉獄さんの性格などを色々悩んで書いたところなので、そう言っていただけるととても嬉しいです。 (2021年2月27日 21時) (レス) id: be0c2f3b60 (このIDを非表示/違反報告)
西川あや(プロフ) - みっちゃんさん» 2度も素敵なコメントありがとうございます!嬉しいコメントばかりで、物語を書くにあたって凄く励みになりました!お返事遅くなってしまって申し訳ありませんが、最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。 (2021年2月27日 21時) (レス) id: be0c2f3b60 (このIDを非表示/違反報告)
つんつく(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。この度は完結おめでとうございます。作品のファンになりずっと楽しみに読ませていただいてました。煉獄さんの手紙にはいつもいつも泣かされました素敵すぎです。美しくとっても素敵な作品をありがとうございました。 (2021年2月4日 15時) (レス) id: 60af00218e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西川あや x他1人 | 作成日時:2020年11月21日 1時

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