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会話 ページ13











「桜寿郎、こちらにいらっしゃい」




昨日、不死川さんが台所などを使う時は許可を取らなくていいと言ってくれたため、私は朝早くから起きて、泊めてくれたお礼に朝食の準備をしている。



そして、同じく規則正しい生活を送る桜寿郎もまた、少し遅れて目を覚まし、今は机で千寿郎がくれた絵本を真剣に読んでいた。









「…」



カタッと小さな音が聞こえて振り返れば、起きたばかりの不死川さんが、眩しそうに目を細めながら私を見る。








「おはようございます、不死川さん」


「…何やってんだァ」



頭が回ってきたのか、驚いたように目を見開いて聞く不死川さんに、見ての通り朝食を作っているのですよと笑いながら、私は味噌汁の入った鍋を数回かき混ぜる。







「あっそういえば

不死川さんはおはぎがお好きなんでしたっけ」


「…煉獄の野郎」



おやつにでもお作りしましょうかと聞くと、可愛らしいなと思っているのがバレたのか、恥ずかしそうに彼の名を呼ぶ不死川さんは、照れたように頬を染めて桜寿郎の隣の椅子に座る。




そんな不死川さんを見て、ふっと私が笑ってしまうと、不自然に目を逸らした不死川さんは、桜寿郎となにやら戯れ始めた。








「ふふっもうできあがりますから」



そう2人に声をかけ、手を洗いにいかせるため桜寿郎を椅子から下ろし、不死川さんにはお顔をお洗いになった方がいいわと、自分の口元を指さして少し笑う。









「あ?」


「昨日は余程熟睡出来たようですね」



不思議そうに首を傾げる不死川さんに向かって、私がそう返して桜寿郎の背中を押せば、不死川さんもゆっくりと後ろを着いてくる。




その後、洗面台の前に立った不死川さんが、自分の口元に着いた白い跡を見て顔を真っ赤にさせたのを、私は見なかったことにしてあげた。



















「もう帰るのかィ」




朝食後、借りていた部屋の掃除を一通り済ませた私に、桜寿郎の面倒を見ていてくれた不死川さんが尋ねる。








「…もし、私たちが帰ってしまったら

不死川さんはまた一人ぼっちになってしまうわね」


「ハッ、普段通りに戻るだけだ」



一人なんて今に始まったことじゃねぇだと、不死川さんは昔より細く見えるその体で、伸びをしながら笑う。








「…私は、いつまで経っても慣れないわ」





そう私が誰にも聞こえないような小さな声で呟くと、不死川さんは着いてこいと縁側へ向かった。









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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
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- 涙止まらん。最高です (8月18日 23時) (レス) @page6 id: daa8a87cdb (このIDを非表示/違反報告)
(名前)(プロフ) - 初めてのコメント失礼します!メチャ号泣しました! ほんとに感動しました! (2022年3月29日 17時) (レス) @page33 id: 70da419123 (このIDを非表示/違反報告)
西川あや(プロフ) - つんつくさん» お返事遅くなってしまって申し訳ありません。暖かいコメントありがとうございます!手紙の内容については煉獄さんの性格などを色々悩んで書いたところなので、そう言っていただけるととても嬉しいです。 (2021年2月27日 21時) (レス) id: be0c2f3b60 (このIDを非表示/違反報告)
西川あや(プロフ) - みっちゃんさん» 2度も素敵なコメントありがとうございます!嬉しいコメントばかりで、物語を書くにあたって凄く励みになりました!お返事遅くなってしまって申し訳ありませんが、最後まで読んでくださり本当にありがとうございました。 (2021年2月27日 21時) (レス) id: be0c2f3b60 (このIDを非表示/違反報告)
つんつく(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。この度は完結おめでとうございます。作品のファンになりずっと楽しみに読ませていただいてました。煉獄さんの手紙にはいつもいつも泣かされました素敵すぎです。美しくとっても素敵な作品をありがとうございました。 (2021年2月4日 15時) (レス) id: 60af00218e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:西川あや x他1人 | 作成日時:2020年11月21日 1時

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