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駅に着くと、ざわくんと私のお姉ちゃんがいた。車を頼むためだ。
「A、何かあったら帰ってきていいからね」
「わたしも応援してるよ」
『うん。ありがとう』
「じゃあ姉さん、車よろしく」
「はいはい。気をつけて」
二人に手を振り、私とざわくん以外のみんなは切符を買いに行った。
『こっちこっち』
「しばゆー早く!」
「待って待って!」
焦りに焦って、やっと新幹線に乗りこんだ私たち。指定された席に座り、少しすると新幹線は東京に向かって出発した。
「お隣失礼」
『なにそれ(笑)』
「なんとなく?(笑)寂しくなっちゃうから」
ゆめくんは私の隣の席に座った。最後の最後までゆめくんはいい人だ。
千葉まで私は寝なかった。大して長くはないからかもしれないが、いつもなら寝るはずなのに。
『ゆめくん、着いたよ』
「着いたぁ…?いまなんじ?」
『夜中の1時半』
やはりみんな寝ていたのか、目をこすって歩いていた。ざわくんは寝なかったみたい。
『ホテル泊まるか』
「時間いいの?」
『大丈夫。その代わり、明日は早いよ』
「わかった。あ、ちょ、としみつのばか。寝るな!」
ざわくんも苦労してるなあ、と思いながらキャリーケースを引き、近くのホテルに入って、なんと全員同じ部屋で一泊した。
。
バスで東京までは40分ほどらしい。早起きだったし、また寝るかなって思ってみんなを見ると、ばっちり目が開いていた。
『…眠くないの?』
「なんか、寂しくなってきた(笑)」
『そんな大袈裟な…死ぬわけじゃないのに』
40分後、成田国際空港につくと、辺りはもうすっかり明るくなっていた。人も多い。
『ここまでくるの?』
「行く」
『あそう』
みんなは飛行機に乗るところまでついてきてくれた。素っ気なくしちゃったけど、ありがたい。
「応援してる!」
「何かあったら連絡してね」
「たまに手紙送るだの電話するだのしろよ〜」
「今度ぽんす連れてくる!」
「また飲もうね〜」
「A、また会う時は一番に会いに来て。母さんとか会いたいって言ってた」
『わかった』
飛行機の搭乗口に繋がる階段を登っていると、店長の言葉を思い出した。
《後悔する前に、当たって砕けちゃった方がスッキリするよ》
『っ、ゆめくん!』
「え?」
『私っ、ゆめくんが好きだった!!高校のときから…!…あっちで応援してるよ!』
「……ありがとう!」
『…っひ…うぅ…』
精一杯笑えてるかな。涙でボヤけて、みんなの顔見えないけど。
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あやもち(新アカウント)(プロフ) - リンさん» ちょっと違う気がしますがありがとうございました! (2018年1月20日 22時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
リン - ありがとうございました。面白かったです。 (2018年1月20日 22時) (レス) id: da57983ead (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - ありがとうございます!! (2018年1月20日 21時) (レス) id: 3b3f15d52b (このIDを非表示/違反報告)
あやもち(新アカウント)(プロフ) - 未来さん» 了解です! (2018年1月20日 21時) (レス) id: c7791dfc52 (このIDを非表示/違反報告)
未来(プロフ) - りょうくんとイチャイチャするシチュエーションってお願いできますか?? (2018年1月20日 21時) (レス) id: 3b3f15d52b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやもち(新アカウント) | 作者ホームページ:https://twitter.com/avntis_TO_mizu
作成日時:2017年11月17日 14時