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#8 ページ10

「どうしましたか?」


俺に手を差し伸ばして来たのは、髪の長い女。
背が俺より少し低く、女性の平均よりは、高いような気がする。

…俺より、年上か?


「あの…」


俺が反応してなかった性で、女を戸惑らせてしまった。


「あ…えと、道に迷ってしまって…。」

《ご主人…貴方、女性と話したことないんですか!何です、そのキョドり様!!》

「っるせ、ベル…。」

アイツ…ことごとく馬鹿にして…。

「ベル…?」

…つ!聞かれてしまってたか…。


「あ、いえ、すみません。1人言です。」

オレがそう言うと、女は
キョトンとした顔をして、クスクス笑い出した。


「フフ…面白い方ですね。気分を害してしまってすみません。
道に迷ったんですよね?案内します。
どの学科ですか?」

「IT・コンピュータ系のです…。学年は、大学2年生です。」

「2年生だったんですか!私もなんですよ!」


同じ年だったんだ…。


「名前、何て言うんですか?」


女が、聞いてきた。
大学の道を歩きながら女が聞いてくる。


「あ、私は、上杉悠(うえすぎ はるか)って、言います。学科も一緒ですよ!」

「え…あ、そうなんですか。」


学科も一緒とか、凄い偶然。


「俺…は、桐島 翔 って言います。」

「あっ!何か、有名ですよね。騒いでました。」


あ〜、アレか…。

…ん?でも、それなら最初から知っていても良かったような?

まぁ…そう言うこともあるよな。

ふと、俺は、何を思ったのか、突拍子の無いことを彼女に言ってしまった。

「あ、あのさ…。」

「はい?」

「友達になってくれないかな?」

驚いた顔を見せる上杉さん。

「い、いきなりですね!?」

「こーやって、話せるのって初めてで、安心するんだ。」

これは、事実。
よく分からないこの世界で、ベルを含めないで、人見知りをしないで話せた人だ。

出来れば、仲良くなってたい。


「…わ、私でよければ。」

「っ!…ありがとう。」


2人で向き合い、ニコッと笑った。

もう、講義の教室に着いたようで、席に座る。


「あ、ごめん。ちょっと電話来たから少し外れるね。」

上杉さんは、すぐ外に出ていった。

友達…かぁ…
初めて出来たかも。


…まぁ、保険は大事だよね。


ーーー

「スノウリリィ、桐島のことを調べて」

人気の無い廊下で、上杉悠は誰もいない所に言う。

すると、片目が隠れた男が現れ、悠に言った。

「ご主人様の言う通りに。」

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作者名:紅月彩
作成日時:2018年1月7日 12時

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