五十五話 ページ11
花京院君に声をかけていると、突然後ろからジョセフさんの叫び声が聞こえてきた。
「な、なんじゃあコイツは！！？」
「ジョースターさんッ！下がってください！！」
驚き振り向くと、ジョセフさん、アヴドゥルさん、空条君、そして件がいた。
先程と面子に変わりはない。
ただ一つ、先程と違うことは、三人が件のほうを向いて臨戦態勢になっているという点だ。
空条君に関しては、背後にうっすらとスタンドが浮かび上がっている。
「な、なんですか…その牛……？」
そう花京院君が口にした時点でようやく、私は大切なことを思い出した。
件は、妖怪である。
妖怪は幽霊などと違い「霊力の有無によって見える」という概念がない。
高い妖力を持つ妖怪だったら、己の意思で姿を現したり消えたりできるのだ。
もう一度言うが、件は、妖怪である。
『………(忘れてた…)』
「おい、まさかコイツが妖怪か…。」
『は、はい。件という名の妖怪です。』
「クダン…。」
空条君の威圧感が…怖いというか痛い…。
「何かするのか？」
『人を襲うことはありません…。ですが…。』
「…なんだ。」
『…件は、』
≪『災厄、大事が起こるときに現れ予言を残し消える妖怪』か？≫
さすがは件、何もかもお見通しのようですね。
今ので分かる通り、件には悟りのような予知能力がある。
そしてその力で「必ず当たる」予言をするのだ。
また、その予言は「悪いこと」である場合が多い。
『その通りです。間違っていないでしょう？』
≪まあな。
貴様らもそう警戒するな。
我はすぐに消える。》
そう言われても尚、警戒を解く者はいなかったが、空条君の背後に出ていたスタンドが消えたので、Aはひとまず良しとした。
《星を背負う者達よ。》
…どうやら、始まるようだ。
《貴様らは様々な苦難に襲われる。
だが、そんなものはただの序章にすぎん…。
敵の敵は味方。
真の敵を探せ。
過去の声に耳を傾けよ。
世界を砕いてはならぬ。
皆死ぬか、皆生きるか。
この世界だけが、実現できる。》
静寂。
後、もう一度件が口を開く。
《鍵となるは貴様だ小娘。
此奴らについて行け。
より多くのものを助けよ。
…まあ、どんなに頑張ろうとも死人は出るがな。》
そう言って件は消えた。
私たちは唖然としたまま、立ち尽くしていた。
それはまるで、時が止まったようだった。
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紫煙はぶっ壊れた人外の体から出る(プロフ) - 続きは……続きはどこですか……？とても面白いかったです！次回を正座待機してます！ (2021年8月13日 2時) (
レス) id: 2611888ca2 (このIDを非表示/違反報告)
俺です。 - どうしよう……DIOにはぜひ、変態になって欲しい自分が居る。(/。∀°)/ (2018年7月1日 9時) (レス) id: bd74c7c931 (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - 本多ほうさん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいです！最近なかなか更新できていなくて申し訳ないですがこれからも頑張って行きますのでどうぞよろしくお願いします!! (2017年10月28日 21時) (レス) id: 51648f87ce (このIDを非表示/違反報告)
本多ほう(プロフ) - どうもこんにちは。この小説の設定がすごく好きで、スタンドでも波紋でもない能力で自然に承太郎達と絡ませるのが上手で素敵です！この先の夢主ちゃんの運命がどんなものか、楽しみです！更新頑張ってください。応援してます！ (2017年10月16日 16時) (レス) id: 40101de4c2 (このIDを非表示/違反報告)
魏杏妖遊(プロフ) - REVOLVERさん» まだまだ文才もなく、ゆっくり考えないと話がまとまらない私ですが、そう言っていただけると頑張れます！！ありがとうございます！ (2017年9月11日 21時) (レス) id: 8c44b8d3b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：魏杏妖遊 | 作成日時：2017年6月2日 22時
