凍 結 融 解 【赤司征十郎】

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愛してる、愛してる？
愛って何だろうね。言葉にすればする程安っぽく聞こえてしまう。


所詮綺麗事だ。

愛してる、そんな言葉はただ格好付けるだけの飾り文句。


けれどそんな飾り文句の綺麗事すら、欲しいと願ってしまう程絆されてしまっていた。






「なに、Aは来てくれるのか」


「んー行けないでしょ、私は」


「なぜ？」


「えー」






何故って。
そんなこと言わなくたってわかるでしょ？

好きだから。あいしてるから、行けるわけがない。
幸せな気持ちで祝福なんて出来るわけがない。


わからない？わからないか。
わからないよね、そんなこと。






「だって、まぁなんか気まずくない？花嫁さんも、私なんかが来たらイヤな思いしかしないと思うよ」


「あぁ、そうかもしれないね」






冗談めかしてそう言えば、軽く笑ってこちらを見た。

そう。
貴方にはわからない。
でもね、私だって貴方のことわからないよ。


だからそんな風に笑わないで。
まるで、哀しいって言っているみたいじゃない






「言ってみたいけどね、結婚式とか」


「行ったことないのか？」


「ないね。私の周りで結婚した人いないし」


「へぇ」






ベッドから降りて、テーブルの上に置いてあるペットボトルの水を飲む。
カラカラになった喉を潤すには丁度良い冷たさだ。

今日は日曜日だから、軽めにご飯でも作って帰ろう。
この人、生粋のお坊っちゃんだから料理出来ないし。



台所少し借りるけど、何がいい？そう問えば、心なしか輝いた瞳を向けて湯豆腐、と言った。




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