凍 結 融 解 【赤司征十郎】

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吐いた息が白く染まる。

あぁ、貴方がいない






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12月半ば。

美しく輝くイルミネーションを横目に、小さく零したものは何だったのか。
よくわからないけれど。そう言い聞かせるように、知らないフリをした。



寒いのは冬のせい。
だからね、貴方がいないからなんてそんなこと言わないよ。




私はもう大丈夫だから。
思い出だけで、生きていける。

なんて言ったら嘘になるけどね。
でも、どうしようもなかった。
彼には未来があって、将来がある。普通の人じゃわからない辛さもある。

私は遠くで、応援しているから。


貴方に相応しいような綺麗な人が相手なら、諦めて次に行こうかなって。

そう思うんだけどね。




愛してた。愛してたけれど、私と貴方の愛が同じだったのかなんてわからない。

もしかしたら、貴方のソレは同情に近かったのかもしれない。


そんなこと、今更どうだっていいんだけれど。






飲んでいたカフェモカはもう冷めてしまった。
さっきまで熱くて、飲むのだってキツかったのに。


どうしようもなく虚しい気持ちになって、俯いた。
一人で何もせずに突っ立つているなんて、不審に思われるかもしれない。

けど、そんな私を見ている人なんている訳がない。



最後の一口を飲んで、路上のゴミ箱に捨てる。
乾いた音は、繁華街の喧騒にかき消された。

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