私が好かれない訳がない。【黒バス】

え、これってまさか。　05 ページ5

人事を尽くして天命を待つ、うんうん。
そうなんですよ、私は人事を尽くしたからね。
ナイスタイミングー。



印刷室を出て右手前の階段を上りますと、すぐに私の教室に着きます。
左を見れば、職員室やら保健室やら。


正面には、そうです。渡り廊下を走る、憎きバスケ部がいます。






「桃っちー、あとどれくらいでチャイム鳴る？」


「うーん、多分５分くらい」


「は、じゃあ走る必要なかったじゃねーか」


「そういう事じゃないんですよ、アホ峰君」






うーん、どうしようかな。
話しかけるなんてそんな馬鹿みたいなことできないしなー。


どうするか。でもな、向こうから話しかけてくる確率なんて、明日世界が終わるぐらいの確率なんだよね。



めんどくさー、ってかありがちすぎるけどなー。
ま、しょうがない。





「…わ、」





ふははー、プリント落とし作戦

古典的ですね、うん。
まぁさ、それしか考えられなかったんだよなー。


第一ターゲットになる筈だったももーいさんの元には落ちず、几帳面そうな、緑の人の足下に落ちてしまった。


え、もちろん風の仕業です。






「…これはお前のか？」


「あ、はい。そうです、ありがとう」






貴方達キセキの世代と同じくらいの人気を集める、Aちゃんです。
え、もちろん知ってるよね。






「んー、あれ、オレこの人見たことあるんスけど…名前思い出せない」


「おい黄瀬ェ…つか、オレも知らねーわ。そこそこ可愛いじゃん？」


「ん〜。オレ、こいつと同じ委員会な気がするけど。なんだっけ、名前」






おいおいおいおい、おい。

え、まじで言ってんの？え、本気で？
あー、オレ知らないアピール？
だよね、それ以外有り得ないよね。
いや、だってさ。多分、私のこと知らない人なんている訳がないんだよね。


つか、おい。紫原。
私委員会入ってないよ、誰と間違えてんの。
あと。そこそこ、じゃねーよ、相当だわ。






「ちょっと皆さん。失礼ですよ」


「は？だって知らねーし」


「…俺は見たことがあるのだが」


「えー、緑間っちが知ってるんだったら多分オレも知ってるっスわ」


「んー…じゃあオレも知ってる？」


「あー…じゃあオレも知ってるわ、多分」






いやいや、さっきから聞いてればどいつもこいつも馬鹿かよ喧しいわ！


え、何、なんで疑問系？つか、じゃあ知ってるってなんだよ。

信用の緑間、ですか。



ははは、…笑えない。

え、これってまさか。　06→←え、これってまさか。　04

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す