え、これってまさか。 03 ページ3
やばいやばい、満身していたのは私だったのでは。
なんて考えて、ちょっと笑った。
いやいや、私が満身してるなんて有り得ない。
醜さとか残酷さとか、ドス黒い感情とか。
色々見てきたし。
あんな風に絶対ならないって、誓ったじゃないか。
確かに事実、私は可愛い。
でも、それが何。学校という小さすぎる世界で満足していたら、ここで終わり。
将来生き残るための単なる社会勉強なんだから、こんなんじゃ、駄目。
まだ、足りない。
「あー、そういやオレ。桃井さんの好きな人知ってるんだよね」
「は!?誰だよ教えろ」
「うわー、好きな人いるとかショック」
おいおいおい、昨日私に今度遊びに行こうとか言ってたの誰だよ。
可愛ければ誰でもいいんですか、そうですか。
いや、しかし。
まずいな、私が一番可愛い筈だし、好感度も良い筈だし。
なんか同率って、凄い気にくわないんだけど。
だからって嫌がらせだとか、そんな事しようなんて思わないからね、そんな三流のする事なんて。
わざわざ自分の価値を下げる道を進もうなんて思いません。
あー、でも。桃井さんって、厄介なんだよね。
私の人気を揺るがす、カラフル集団の一味でしょ、だって。
バスケが凄い上手いらしいし?顔面偏差値やばいらしいし?お坊っちゃまやらモデルやら、なんかちょっと。
チート過ぎる。
何より、あの赤司ってやつ、何者なのまじで。
何でも出来て当たり前ですが、なんて顔しやがってふざけんなーなんて一回殴ってやりたいとか、そんなの冗談ですよやだー。
他のやつらも、なんか目立ちすぎではありませんか。
だからだ、だからちょっと私が霞むんだ。
なんて自問自答しながらそっと歩きだして、階段を降りる。
うわ、足音響くな。
…だってさ、普通のところにいれば目立ちまくりだろうし、今よりももっとチヤホヤされる筈じゃん。
結果的にね、多分私が同率一位というなんとも言えない位置に着いてしまったのは、この帝光中に入っちゃったからなんだと思うんだ。
責任転換ですね、わかります。
聞かなきゃ良かったか。いやでも、聞いたお陰でじっくり作戦練ることが出来ますし。
プラマイゼロですな。
「宣戦布告だ、カラフル集団」
絶対、私が一位になってやる。
小さく呟いて昇降口から出れば、雨が降りそうで。
折り畳み傘なんて持ってるに決まってんじゃんばーか。
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Yui(プロフ) - とても面白いです!どうか続きを恵んでください (2016年9月4日 11時) (レス) id: e916abd93d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - いやー! とっても面白いですね!こういうの大好きなので、本当に楽しく読ませていただいておりますっ! これからも更新頑張ってください! (2015年10月14日 22時) (レス) id: 6eac240384 (このIDを非表示/違反報告)
綵架(プロフ) - *柚木*さん» ありがとうございます!! あ、同士様がいた(゚д゚)(。_。) 更新急ぎます((( (2015年9月21日 0時) (レス) id: a294735b06 (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - わたしも勘違い愛されのような捻った感じのジャンルが好きなのでこの小説は本当に好きです。更新頑張ってください! (2015年9月20日 20時) (レス) id: f7d2cc782c (このIDを非表示/違反報告)
綵架(プロフ) - ふぁるさん» 返信遅くなってしまってすみません。゚(つД`)゚。 ありがとうございます!! 私もこういう子が好きです((( (2015年8月15日 15時) (レス) id: a294735b06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綵架 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayakamakar1/
作成日時:2015年6月21日 18時