え、これってまさか。 11 ページ11
「失礼しまーす…」
そろりそろりと体育館に向かって歩き、重たいドアに手をかける。
ちょっと早く来てしまったか。
HRが終わってすぐ来ちゃったからなぁ…
もちろん、他の女子に見られるのを防ぐ為に。
いやあ、ね?
嫌な予感はしていたんだけど。
ゆっくりとドアを開ければ、飛び込んできた人
赤い髪。
「やぁ」
「…」
「ようこそ、帝光中バスケットボール部へ」
…いや、あの。
ようこそって、なんか私が入るみたいな…
「どうも、です」
「話は聞いているよ。マネージャー希望だろう?」
はぁぁ!?
マネージャー、え、マネージャー?
私、そんなこといいましたっけ…
「え、あーいや違いま…」
「あ、Aっち!」
「黄瀬か。この間言っていたマネージャー希望の女子とは、この人ではないのか?」
思いっきり笑顔で近付いてきた黄瀬の顔が一気に青ざめた。
あ、これ詰んだね。
ご愁傷さまです。心の中で合掌して聞こえない程度で溜息を吐けば、黄瀬は効果音が付きそうな勢いで私の元に駆け寄った。
ごめん!マネージャーがどんどんやめていっちゃって部員の士気が下がるから新マネージャーを探せって言われちゃってて
だからAっちならきっと部員も喜ぶし、オレ的にもいいかなって思って
お願い!マネージャーやって下さい!
小声と早口で捲し立てられ、懇願される。
いや、流石にマネージャーまでやっちゃうと
私の女子からの評判が…
だって現に桃井さんがそういう状態だし、ねぇ?
あ、でも。
これ、一番の近道じゃない?
なんて思考が一気に変わったのは、私のせいじゃない。
でもなんか…
こう、蜘蛛の糸を垂らされているような。
気のせいだと思うけど、
「ん、わかった」
「ホント!?やったー赤司っち、マネージャーやるって!」
「?元々マネージャー希望じゃなかったか」
「う、…そうそう!元々マネージャー希望!」
…こんなに嘘が分かりやすい人初めて見た。
あ。
これは、断ったら印象悪くなるからやるだけだからね。
勘違いするなよ、お前らの人気には興味があるけどそれ以外には全く興味ないから。
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Yui(プロフ) - とても面白いです!どうか続きを恵んでください (2016年9月4日 11時) (レス) id: e916abd93d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - いやー! とっても面白いですね!こういうの大好きなので、本当に楽しく読ませていただいておりますっ! これからも更新頑張ってください! (2015年10月14日 22時) (レス) id: 6eac240384 (このIDを非表示/違反報告)
綵架(プロフ) - *柚木*さん» ありがとうございます!! あ、同士様がいた(゚д゚)(。_。) 更新急ぎます((( (2015年9月21日 0時) (レス) id: a294735b06 (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - わたしも勘違い愛されのような捻った感じのジャンルが好きなのでこの小説は本当に好きです。更新頑張ってください! (2015年9月20日 20時) (レス) id: f7d2cc782c (このIDを非表示/違反報告)
綵架(プロフ) - ふぁるさん» 返信遅くなってしまってすみません。゚(つД`)゚。 ありがとうございます!! 私もこういう子が好きです((( (2015年8月15日 15時) (レス) id: a294735b06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綵架 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayakamakar1/
作成日時:2015年6月21日 18時