私が好かれない訳がない。【黒バス】

え、これってまさか。　02 ページ2

「ではではー、可愛い女子ランキングー！」






放課後。担任に頼まれて雑用を熟し、少しの気紛れで教室に向かった。


もしかしたら、教室にたまたまいたイケメンと話せるとか、そんなことは思っていない。断じて。



当然の事ながら、部活をしてる声だとかそういうのは聞こえるんだけど、そんな声なんかよりも一層大きく聞こえたのは、下世話な会話だった。


中学生男子の、自分イケてるとか思っちゃうイタいノリ。


思春期男子の、思春期男子による、思春期男子のためのお遊び。






「ウチのクラスじゃ断トツじゃん？」


「それな」


「右に同じく」






うん、まぁそうだよね。


私が一番で、その下にちょろーっといる、みたいな。
決めるまでもないんじゃないかな。



…え、ちょっと待って。
“ウチのクラスでは”？

いやいやいや、可笑しい可笑しい。
学年でみても私が断トツで一番……


いや、一人。
私から見ても可愛いと思うやつ、いた。






「でもさ、桃井さんもいいよなー！」


「ほんとそれ。ウチのクラスだとAちゃんが断トツだけどさぁ」


「学年だと、桃井さんとどーどーぐらいじゃね？」


「なんだろ、桃井さんって高嶺の花っつーイメージがあるんだよな」


「わかるわかる。Aちゃんはどっちかっつーと親しみやすいってゆーか」


「んじゃ、同率一位で良くね？」






うわああああああやばいやばい。
さっきまでの不動の地位(笑)が壊されるいくよどうしよう



っつか、お前らごときに親しみやすいとか言われるとか。
男子ウケ狙うために笑顔振り撒いてたらこんなことになるなんて。


作戦間違えたかもしれない。
いや、でも。
桃井さんが高嶺の花なら、高嶺の花カブりしてちゃ駄目だろ。



ぶっちゃけ、ルックスではすこーし負けてる。
強がって少しとか言ってるけど、負けてる。


第三者の目線で見て、どっちが可愛い？なんて言ったらまぁ悔しいけど桃井さんを指差すだろうな。


うん、不本意だけど。



でもそれは、ノーマル勝負で、だ。
私のソレはきっと、化粧なんかには入らないけど。身だしなみだけど。



朝少し早く起きて髪を内巻きにしたりとか、校則的に大丈夫な色付きリップを付けたり、もちろん食べ過ぎないようにだとか、化粧水乳液付けたりとか。


出来ることはする、そしたら誰にも負けない。


…とか言って、桃井さんが同じことしたら多分、危ない。




というか、かなり。危ない。

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