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ピッ、ピッ、ピッ……、と一定のリズムで流れる機械音。
俺の目の前には、包帯塗れの龍の姿が。
「……起きろよ、皆待ってるぞ」
そう言い、頭を軽くなでる。
俺は龍の容態を確認する担当となった。
今は組合の方に人員を割かないといけない。
取り引きを失敗したのだから、組合がどのような作戦で来るのか対策をしなければならないのだ。
まあ、俺も首領と共に作戦を考えたり、他の怪我人の手当をする等をやっている為、龍の事はあまり見れていない。
そんな事を思いながら、龍の元を離れて医務室に向かう。
ーーーー
「何やってるんだ?」
そんな時だった。
黒蜥蜴達が、上司である樋口に刃向かっていたのだ。
「比呂志さん……!!」
「げ、師匠……!」
此方の存在に驚いている樋口と立原。
立原の態度がアレな気がするので後で締める。
一部始終を見ていた感じ、凹んでいる樋口に喝をいれたのだろう。
「あ、芥川先輩は……っ、?」
「口を開けば、龍の事ばかりだな。樋口は」
まあ、その忠誠心があるからこそ樋口らしいんだろうが。
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「容態は最悪だ。龍の精神的には問題はないが、身体の方が脆すぎる。
今までの行動を見ても、何時切り離されてしまっても仕方がないと思うが……」
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そう言えば、樋口は涙を溜めて走り去ってしまった。
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「オイオイ…上司の話ぐらい最後まで聞け〜?」
って聞こえてないか。
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作者名:楓 | 作成日時:2021年7月30日 17時