五十三話 ページ4
tn side
ワイヤーから解放された俺達はハヤテと言う少年に目を向けた
張り巡らされていたワイヤーを一瞬のうちに切り落とした少年の腕前に驚いたのだ
そして叫び泣く少年の声にも
「連れてってよ!!やだ!!」
割れた窓に手をかけて降りていった蜘蛛の影を掴むように
破片が刺さり鮮血の溢れる掌も軽く窓から落ちて行きそうな不安定な体制も気にせずに泣く少年をただ見守ることしか出来ない
こんなのあんまりや
tn「グルさん」
gr「あの少年の未来は責任を持ってみよう。情に絆されやすい蜘蛛に免じてな」
kn「おい、いい加減にせんと落ちるぞ。蜘蛛は居ないんや」
普段心無い彼は極端に子供に甘い
それは彼が情に厚い男だからか、自分の家族をフィクションだと割り切った彼の少年時代にあるのか
「おじさんうるさい!!そんなの僕だって知ってるから!!馬鹿にしないで」
まぁ、言い方に少々不備はあるが彼にしては頑張っただろう
実際、これがシャオロンやゾムだったら真っ先に手が出ている筈…
kn「俺はジュリアと同い年や!!どこがおじさんなんか言うてみぃ!!」
「有りすぎてここじゃ言えない!!」
zm「シッマ、子供にも手ぇ上げるんか」
kn「違うわ!!躾や躾!!」
前言撤回。心無いわ
思いっきし頭掴んどるわ、大人でもないわ
俺のシリアスな心を返してくれ
os「そんな事どうでもええ。ジュリアを取り戻さな」
gr「まぁ、待てオスマン。焦れば焦るほどジュリアの策に飲み込まれてく。実際身動きが取れなかっただろう」
それなら任してくれよ
エミさんとええ作戦作るわ
gr「頼むぞ」
「「「「Hell guruppen」」」」
さて今度は上手くいくはずやんな
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