白馬の王子様は必ずやって来る ページ7
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『 ご結婚、おめでとうございます 』
鏡に映る私は、綺麗な白無垢姿。
そして隣に並ぶバカ野郎は、紋付羽織袴姿。
「 ホテルでやるんじゃなかったの… 」
『 江戸ならやはりこの方がいいと思うてのう。
央国星での式はチャペルじゃ 』
一人、ウキウキルンルンしているクソ野郎。
もはや皇子と呼ぶ気も失せた。
『 花嫁がそんな浮かない顔をするでない!』
「 黙れこのバカ野郎 」
こんな奴と勝手に結婚させられて、
ニコニコと笑っていられる女なんている訳ない。
嫌だ嫌だと思いながらも、時間は止まってくれないので
結婚式は始まってしまった。
「 …お兄ちゃんしかいないんだ 」
『 他が来たらとんでもないことになるじゃろう。
ぶち壊されたらたまったもんじゃない 』
私の親族席にはとっつぁんとお兄ちゃんだけ。
あんなお兄ちゃんの辛そうな顔、
初めて見たかもしれない。
本当なら、最後ぐらい総悟の顔を見たかった。
私の綺麗な姿を見てほしかった。
『 それでは、指輪の交換を 』
指輪は何故か、巫女さんのような格好をした3人が
運んできてくれた。
銀髪にメガネにサーモンピンクの髪色。
見覚えがあるような気がしたけど
もうそんなことですら、どうでも良くなった。
『 さぁA、左手を出すのじゃ 』
「 … 」
この指輪をはめられたら、もうお終いだ。
自然にツーっと私の目から
涙がこぼれ落ちた。
______ 大好きだよ、総悟。
諦めて左手を出そうとした瞬間…
『 何故泣いているのですか?』
指輪を持ったメガネが言った。
『 その涙、嬉し涙じゃないアル 』
サーモンピンクの髪色が言う。
『 お前がここまでして守るほど、
アイツらはヤワじゃねェよ 』
「 ______ 旦、那…?」
そう言った銀髪が、ニヤリと笑った瞬間
ドカーンっと聞き慣れたバズーカの音がした。
『 御用改めである!真選組だァ!!
神妙にお縄につきやがれェェ!!』
「 トシ…みんなっ… 」
破壊された扉から飛び込んできたのは真選組。
『 ウチの可愛い姫を誘拐した罪で逮捕する!!』
『 何じゃと…!?』
すると、フワッと抱きしめられる感覚と
大好きな香りが私を包み込んだ。
『 ごめん、遅くなった 』
「 総、悟…?」
それは、私が会いたくて会いたくて
たまらなかった人だった。
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迷い猫 - "里ゴリラ"のところ" 店長ォォになっていますヨ (2021年9月21日 18時) (レス) @page43 id: 0f483562a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちゃ - 初めまして!めちゃくちゃ内容大好きです!キュンキュンしちゃいました笑笑これからも応援してます!この小説にあえて良かったです! (2021年7月31日 22時) (レス) id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
mini(プロフ) - 金平糖さん» ありがとうございます!!すごく嬉しいです(T_T)!更新頑張りますね!これからもよろしくお願いします! (2021年1月8日 7時) (レス) id: 61e392b41e (このIDを非表示/違反報告)
金平糖 - 最高に面白かったです!夢主ちゃん編も、すごく楽しませてもらってます!お父さんがまさか生きてたなんて!?びっくりしましたけど、最高の展開です...!毎回、更新楽しみにしています!!どうかお体に気をつけて下さいね!次回も面白い更新待ってます! (2021年1月7日 0時) (レス) id: a3c6f82ac9 (このIDを非表示/違反報告)
mini(プロフ) - マカロニさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!!そのお言葉だけで頑張れます!! (2020年11月17日 7時) (レス) id: 61e392b41e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini | 作成日時:2020年11月3日 21時