盗聴器には気を付けろ ページ8
.
「 総悟…なん、で…?」
私を腕に抱きながら、総悟はニヤリと笑った。
『 Aの俺を呼ぶ声が聞こえたからでさァ 』
「 まさかっ… 」
" 会いたい " って言ったの聞かれてたぁあ!?
『 その話は後でゆっくりしてやる。
今はとにかくここから逃げねェと 』
辺りを見回せば既に囲まれている私たち。
白無垢の私はいつものような動きができない。
完全に足でまといだ。
『 総悟…ここは俺らに任せて、
お前はAを連れて先に行け 』
「 トシ!!そんなのっ……きゃっ!!」
トシに反論しようとした途端、
一瞬で横抱きにされた。
『 …すいやせん、土方さん。
A、しっかり掴まってろィ 』
「 えっ!?」
『 貴様ら…!こんなことしてタダで済むと思ってるのか!!』
敵の言葉に総悟の足が止まる。
そして私に目線を落としてから振り向き、
またニヤリと笑った。
『 悪ぃが、いくら皇子相手でもコイツは渡せねェ。
______ Aは俺のもんでィ 』
____________
『 ここじゃもう追ってこねェだろ 』
そう言って降ろされたのは海沿い。
太陽の光が海に反射してキラキラと光っている。
「 あの…総悟 」
『 ん 』
「 …助けてくれて…ありがとう… 」
そう言うと、総悟は一瞬目を見開いて
パッとそっぽを向いた。
『 別に…礼なら旦那たちにしろィ 』
「 そうだね、旦那たちにもお礼しなきゃ 」
この時の私は、依頼料+1日デート付きという条件を
まだ知らなかった。
『 ……似合ってる 』
「 えっ… 」
『 白無垢。似合ってるって言ってんでィ 』
「 ちょっ…いきなり何… 」
『 馬子にも衣装だな 』
「 おいテメェ、もう一回言ってみろ 」
いきなり柄にもないこと言い出すから、
調子狂うじゃん…やめてよ…
『 まぁとにかく、無事でよかった 』
「 …ありがとう 」
『 テメェは俺が守ってやるって言ったろ 』
そう言って優しく微笑み、ポンと私の頭に手を乗せる。
そんな総悟の手を私は取って握る。
「 これからも…私の事、ちゃんと守ってよね 」
『 おやすい御用でィ 』
やっぱり総悟は、今も昔も
私の一番のヒーローだ。
「 そう言えば、なんで私の声聞こえたの?」
『 Aが行く前に、そのリボンに盗聴器付けた 』
「 それ言っとけこの野郎 」
.
490人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
迷い猫 - "里ゴリラ"のところ" 店長ォォになっていますヨ (2021年9月21日 18時) (レス) @page43 id: 0f483562a2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽちゃ - 初めまして!めちゃくちゃ内容大好きです!キュンキュンしちゃいました笑笑これからも応援してます!この小説にあえて良かったです! (2021年7月31日 22時) (レス) id: fffe7db0be (このIDを非表示/違反報告)
mini(プロフ) - 金平糖さん» ありがとうございます!!すごく嬉しいです(T_T)!更新頑張りますね!これからもよろしくお願いします! (2021年1月8日 7時) (レス) id: 61e392b41e (このIDを非表示/違反報告)
金平糖 - 最高に面白かったです!夢主ちゃん編も、すごく楽しませてもらってます!お父さんがまさか生きてたなんて!?びっくりしましたけど、最高の展開です...!毎回、更新楽しみにしています!!どうかお体に気をつけて下さいね!次回も面白い更新待ってます! (2021年1月7日 0時) (レス) id: a3c6f82ac9 (このIDを非表示/違反報告)
mini(プロフ) - マカロニさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます!!そのお言葉だけで頑張れます!! (2020年11月17日 7時) (レス) id: 61e392b41e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:mini | 作成日時:2020年11月3日 21時