半夜兎の舞姫【沖田総悟】 (ページ25)

今日:5 hit、昨日:24 hit、合計:297,202 hit

知らない感情ページ25

.

「ふぁあぁぁ…そろそろ寝よ…トシ、おんぶ」

『ふざけんな、自分で帰れ。
つーか何で俺の部屋にいんだよ！！』

「別ににいいじゃん、お兄ちゃんどっか行ったし
総悟お風呂だしさ」

『一人でいられねぇのかよ！ガキかテメェ！！』

時刻は夜中の1時。

お風呂を出てから暇だった私は
トシの部屋に来ていた。

深夜だというのにトシの声のトーンは変わらずMAX。
うるさいのなんの…

おんぶしてもらうことは諦め、帰ろうとした時
障子がスパーンっっと音を立てて開いた。

『やっぱここにいたか』

「あ、総悟おかえり」

『おい総悟、そこのクソガキ連れて帰れ』

『死ね土方』

『はぁぁぁぁぁ！？！？』

トシの発言は置いといて、
総悟は私を探していたかのような口振りだ。

「で、総悟は私に何か用？」

『近藤さんの回収でィ』

「 …私行かない。またお妙ちゃんに怒られるもん」

万事屋のメガネの姉、お妙ちゃんを
堂々とストーキングしているお兄ちゃん。

そんなお兄ちゃんを回収しに行くと、
" 監督不行き届きだ " とお妙ちゃんに毎回怒られる。

『いや、今回は怒ってねぇみたいでさァ。
ちなみに…とっつぁんも一緒でィ』

「最低」

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

『 … 』

「最低最悪、おまけ付き」

そこには、床に転がってるパンイチの
お兄ちゃんと松平のとっつぁん…

そして、旦那とマダオ。

『あら！Aちゃんに沖田さん！
ごめんなさいね、こんな夜遅くに』

「 …良い子は寝る時間なんだけど」

『さっさと近藤さん連れて帰るぞ』

そう言う総悟に続くと
いきなり目の前の総悟が見えなくなった。

『あら～！いい男じゃない！』

『これから私たちと遊ばない？』

『あんなガキほっといてぇ～』

「 … 」

スナックの女たちにあっという間に囲まれた総悟。

まぁ確かに総悟は顔だけは良い。
中身を知らなければ好きになる人もいるだろう。

実際、見廻りの時に総悟を目で追ったり
ラブレターを渡しに来る女も多い。

だから、そんなことわかってた。
わかってたんだけど…

「 …なんかムカつく… 」

総悟のことを一番よく知ってるのは私だ
総悟の隣にいつもいるのは私だ

アンタらは、総悟の顔しか知らないくせに…

＿＿＿＿＿＿総悟を、誰にも取られたくない。

そんな思いが、私の心に渦巻いた。

.