恋ってなんだ? ページ23
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チャポン…
「 うあぁぁぁ〜、気持ち〜 」
結局あの後、やり合った様子もなく
涼しい顔をして戻ってきた総悟。
" 何話したの?" と聞いても
" テメェには関係ねェ " の一点張り。
その前に喧嘩した理由もまた聞いたけど
" うるせェ "
" 黙れ "
の一点…二点張りだった。
「 なんなの…まったく… 」
一番驚いたのは何より
神威が私を好きだということ。
そんなこと、一緒にいたあの時はもちろん
会っていなかった14年の間も思ってもみなかった。
" まだ返事はいらないヨ。ゆっくり考えて "
ということは、いずれ神威の気持ちに
返事をしなければいけないということだ。
あの時も思ったけど、
神威のことはもちろん好き。
でもそれが
恋愛としての好きなのかって言われたら、わからない。
そもそも、恋ってなんだ?
長年、男所帯の中で生きてきた私は
恋なんて経験はない。
どうしたもんか…
「 んー… 」
考えれば考えるほどわからなくなり、
お湯に鼻まで浸かってぶくぶくする。
すると突然、脱衣場の方から誰かが私の名前を呼んだ。
『 A 』
「 っ…!?」
声の正体が誰かなんてすぐわかったけど、
ぶくぶくしてたので危うく溺れるところだった。
「 そっ…総悟!?
今は私の時間だって知ってるよね!?
危うく溺れるところだったんだけど!?」
『 んなことわかってらァ 』
真選組では唯一の女なので
私のお風呂の時間は決まっている。
それを知ってて総悟は勝手に入ってきたようだ。
「 話なら後でも…『 今日、どう思った 』
「 え… 」
『 14年振りにアイツに会って…
やっぱりアイツといてェ、とか思ったかって聞いてんだ 』
稀に見る弱気な総悟に、
こっちも拍子抜けしてしまう。
「 んー…会いたいと思ってたから
会えたのは嬉しかったけど…
一緒に行こうって言われた時は
断ろうと思ってたよ 」
そう返すと、何故か黙り込んだ総悟。
聞いといてそれかよと
ツッコミをいれようとした時、総悟が口を開いた。
『 …今のテメェの相棒は俺でィ。
俺がAを守ってやる。
だから…
______ どこにも行くんじゃねェ 』
その言葉を最後に、脱衣場のドアの音が聞こえた。
「 そんなこと言われたら…どこにも行けないよ… 」
長風呂のせいなのか
総悟のせいなのか、
心臓がバクバクと音を立てていた。
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リノ(プロフ) - きゅんきゅんが止まらなくて心臓が潰れそうです。これからも楽しみにしています! (2020年10月23日 15時) (レス) id: fc408fc325 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mini | 作成日時:2020年10月19日 4時