いつかまた、めぐり逢うまで (ページ19)

今日:50 hit、昨日:25 hit、合計:45,563 hit

3 ページ19

大橋side

あの謙杜の騒動があった3日後。

謙杜の口から話された言葉はとてもすぐに理解できるものではなかった。

"7人でデビューすることができない"

その言葉だけがずっと頭の中で繰り返された。

ここまで、7人で頑張ってきて、急に6人になる‥‥。

謙杜を責めるわけではない。

同情をすることもできない。

ただ、夢を断たれた謙杜に俺らができることは限られてる。

それでも、謙杜は衣装で関わっていくと言ってくれた。

俺らにはわかりようのない、葛藤や悔しさ、怒り…。

たくさんあると思う。

謙杜が辛いとき、俺らは変わってあげることはできない。

けど、励ましてあげることはできる。

俺らが謙杜にしてあげれること。

それは、7人で一緒にデビューを目指すことができないのなら、精一杯6人でデビューを目指して、夢を叶えること。謙杜の分まで。

リーダーとして、仲間を守れなかったこと。

理由はどうであれ、あってはいけないと思う…。

ALS、難病、治ることはない、死に至る…。

理解しがたい言葉を並べられて、夢を諦めなければいけなくなる。

考えるだけで、俺には耐えられないと思う。

それを、まだ18歳の謙杜は受け止めている。

それなら、残った6人は必至になって、デビューを掴みとるしかない。

絶対デビューしよな。

"7人で"

その場にいなかったとしても、謙杜は『なにわ男子』や。